games: LTP

ウミガメのスープ」のような問題はアメリカではLTP(lateral thinking problem)といって、発想の自由さを試すジャンルとして存在するものらしい。
この手の問題には、すぐ「これはアメリカのロースクールの試験に出る問題」であるとか「ハーバード大学の法科の学生が20分で解いた」とかいう、人間的なスペックに結びついた尾鰭が付く。「ウミガメのスープ」は、15分で解いたらFBIから勧誘が来たという話を読んだことがあるがいくらなんでもそれはウソだろう。
確かにこの問題の解答の気味の悪さを考えると、そういう気味の悪い領域にまで頭を使う能力を要求してくる社会というのはどういうところなんだろう、剣呑なことよと、都市伝説になりやすいのもわかる。あ、それからこの問題は景山民夫が作ったという話もどこかで読んだ。これは本当なのかもしれない。
しかし実際に検索すると、Lateral Thinking というのは、Logical Thinking , Critical Thinking と同列に、ビジネススクールのプログラムになっていたりするようだ。
日本だと「頭の体操」のようなひまつぶしクイズで終わってしまうのがちゃんと思考プロセスとして認められているのだなと感心した。

個人的には、他人の考えのプロセスを追うのが好き(それゆえモース警部シリーズが好きで黒後家蜘蛛の会が嫌い)なので、これをどうかして楽しめないかと思う。正解が重要なのではなく正解に至る試行錯誤が大事なのだ。わかったか、ヘンリー。

games: いがいと反響

過去日記に問題を立てて、それに言及して馬鹿推理をするという遊びはどうだろうとちょっと思った。自分の推理力のなさは棚にあげて。
(2ちゃんにも「ウミガメのスープ」スレというのがあるが、これは掲示板という性格上、どうしても「出題者の持っている解答に近づいていく」遊びになってしまって、本来一番面白い筈の「間違った推論」が楽しめないということになってる模様。それにオカルト板なので、味付けとして死んだり絶望的だったりしないといけない縛りもあり、けっこう厳しい。つうか掲示板やチャットでやると出題者はリアルタイムで質問を捌かないといけないのでものすごく大変。)

games: 資質

「何が求められているのか把握すること」

私も、激しくコンサルタント向けの問題だと思います。エレベータの待ち時間解消の話とかに近いですね。(これも有名なので説明は省略…)
しかし、たとえば知識ゼロから始めて「スープ」の問題が早く解ける人は、「人が思い詰めて死ぬにはどういう条件が必要か」というのを、自分の中で整理しているようなところがあって、それが「FBI的な優秀さ(あくまでイメージだけど)」の証拠っぽくもあり、問題に不気味な印象を与えるのだと思いました。

notes:

  • 手動で入れたvimの調子悪し。psqlのエディタで使おうとすると落ちる。
  • 紙Proのバージョンが上がっていたので入れてみた。落ちにくくなってるような気がする。キーマップユーティリティを入れているせいか、自宅でも職場でも頻繁に落ちて(落ちてもまたホットキーで出てくるのだけど)ちょっと困っていた。
  • ちょいと google:景山民夫 海亀のスープ]。著作([ISBN:4101102155)のなかで紹介されてるのですね。なんか学校でやってるところもあるヨ!中学校みたいだけど。

hatena: 脚注

前から「あれっ、ないのかな」と思ってたのですが、脚注機能はないですよ、ね?

たとえば


わかったか、ヘンリー*1!


わかったか、ヘンリー*!

*1)『黒後家蜘蛛の会』に登場する給仕。会員が喧々囂々の謎解き議論を積み重ねるなか、鳶が油揚げを浚うように最後に正解だけかっさらう

PukiWiki的な記法だと、上のようなイメージになるかな。その日の記事の一番下に列挙される。当然ながらアンカーなどで結びつけられている。『俺キーワード』の抑止にもちょっとは貢献するかも。

はてなダイアリーへの要望

*1:黒後家蜘蛛の会』に登場する給仕。会員が喧々囂々の謎解き議論を積み重ねるなか、鳶が油揚げを浚うように最後に正解だけかっさらう

books: 『キッド・ピストルズの妄想』,山口雅也,創元推理文庫,ISBN:4488416039

山口雅也はこれで3冊目。
読解力が人より劣るオレがミステリ短編に求めるのは「人が一杯でてきて事実関係を整理しているうちに名探偵が一発で謎を解いてしまわないこと」。読んでる奴をおいてけぼりにしないでお願い。それは長編においてもだけど。探偵が「わたしにはすべてがわかっていた」とか言うの禁止。燃やす。
そういう意味で、インチキ臭い登場人物と蘊蓄に笑っているうちに登場人物の行動が理解できるこのシリーズは好ましい。