想像日記

北村薫の本を寝転がって読んでいたら、珍しく足もとにメルカトルが寄ってきてパタパタと尻尾を動かした。
「本を読みながら声を上げる癖はやめないとみっともないぞ」
「…たまに自分から何か言うと思ったら憎まれ口か。ほっとけ、犬にはわからん」
「文章のリズムが自分の一部を<私>にする、とかいって萌えてるのか」
「そう。自分の中に女性を見いだす時間って貴重だと思わないか?」
川本真琴がどうちゃらこうちゃらって言ってたときもそういう話だったな」
「そうだな。そういう性分なんだよ、きっとおれは」
「そんな寂しい君にぴったりの場所がある。教えてあげよう」
「何処?」
惑星ソラリス
「…おっと、忘年会行かなきゃ」
「メリークリスマス」