「視野を広げるに越したことはない」

a.

「趣味はえーと、音楽鑑賞かなー、えー? アーティスト? 何でも聴くよーわりと」
という会話は、別に趣味の話題でもなんでもない、それは世間話ではあるけど、少なくともオレにとっては趣味という言葉はそういうふうに使うものではないな、という、もってまわったことを言ったら
「だって、そうやって情報交換して視野を広げるのはいいことでしょ?」
と無邪気に返されて、日本語の通じなさにひとり憤慨する夢をみた。

b.

音楽鑑賞が趣味の人どうしでレコード屋行って、お互い本当に素だと「あ、じゃぁあとは自由行動で」ってなると思うけど。

c.

仮に情報を教えあうフェイズを趣味ということばのうちに含めるとしても、教え合ってる時間は、記憶にフックをつけてるだけで、そのフックの点と点を繋ぐのは、やはり自分の仕事なのだった。

c.

あるいは、他人が情報を繋いでいるさまを見て、自分も真似てみようとすることはあるかも知れない。何の本を読んでいるかへの興味ではなく、毎日読んでいるという生き方やその考え方への興味で。