日記

a.

朝から肌寒い。夜中に2回くらい目がさめた。
バス路線でいつも見ていた古い銀行の建物が、全く別のものに置き換わっていて驚く。

b.

「あの事件がなければいまごろは…」と考えることについて。あなたちょっと、今窓の外を見て、河原をぼろをまとって歩いているヨイヨイのおじいさんを見て、彼の人生に何かの因果関係を想像して、「もし**がなければこの人も○○だったろうになぁ…」と涙できますか。私はできない。任意の誰かについてそういう想像をすることはできない。荷が重すぎる。因果というのは全ての人が負っているものだから、そんな想像をするのは安請け合いだと思う。かくあるべきだった人生なんてない。だから、それを取り返すという動詞もない。あろうとしたものがそうならなかった結果ならある。私にできるのは、他人のそれをただ横目で眺めて、とぼとぼ歩くだけだ。