王狼たちの戦旗(2)
第一部はskoharaさんに帯出中だが([id:skohara:20080618:p1])自分も全然読み進んでない。
第二部2巻め。第一部では、スターク家の人間がわりあいヒロイックに描かれていたが、第二部は、文庫1巻めから、精神的に脆さのあるキャラクターの視点が増えていて、楽しめる。安直なヒーロー(ジョン・スノウとか)や悪役(タイウィン・ラニスターとか)には萌えんよ、と構えていた私も膝を屈さざるをえない。第一部で軽薄野郎にしか見えなかったシオン・グレイジョイも、主軸に据えられると、それなりの葛藤と不安を持っていることがわかってくる。ボリュームのある大河小説はまともに読んだことがないのだけど(グインも未読)、こういう、話が厚くなる醍醐味が味わえるんだったら、もっと読んでもいいな。
古王国の生き残りデーナリス・ターガリエンに付き従う、サー・ジョラー・モーモントという騎士がいるのだが…この人の情けなさが明かされる、というくだりを今日読んだ。よみながらウルウルしてしまった。第一部全部使って見せた忠誠心の理由はやっぱそれか…ほんと馬鹿だな…でもしょうがないよな…。最初から死亡フラグが立っているキャラとしか思えないが、こういう人はだらだらと醜態をさらしながら生き続けてほしい。
読者の慣れに合わせるようにキャラクターや設定の複雑さを上げて行く作者の手腕は鬼。第一部と同じくらいの度合いで、頭の中の史実バッファ人物バッファを使わされる。
王狼たちの戦旗〈2〉―氷と炎の歌〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)
- 作者: ジョージ・R.R.マーティン,George R.R. Martin,岡部宏之
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/04
- メディア: 文庫
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ボードゲーム*1には大陸にいるターガリエンやモーモントは出てこないんだよな。萌えるだけ萌えさせて拡張で買わせるつもりか…。あーいや、TCG*2にならあるんだっけ…。