今年のゲーム十選

と言いつつ、5つしかありません。

安楽椅子探偵 #6

安楽椅子探偵 ON AIR [DVD]

安楽椅子探偵 ON AIR [DVD]

今年はホームズで遊べなかったのでこれ。パッケージとしては、ゲームじゃないけれど、多人数で時間を合わせて遊ばないと楽しくなくて、拘束時間も長いので、普通のボドゲよりも成立させるのが難しい、一種のゲームだと思っている。

既に放送が終わったものを一緒にDVDで観るために、人をオルグしたり、都合を合わせたりするところから、ゲームが始まる。

ひとたびDVDを再生しはじめれば、仮説と論理と飛躍の至福の時間がはじまる。人と思考のプロセスを語ったり、人から示唆を与えられたりするのは、本当に面白い。(こう書けば、感想戦大好きなボドゲの人にも遊んでもらえたりするのだろうか……)

この手のコンテンツは基本的にリプレイができない(消費したらネタが割れてしまうので遊べなくなる)のも、面子合わせのメタゲームを熱くさせる所以である。私も、7つ出てるうちの3つ、既に見てしまった。うわー見たくない! でも見たい! いい環境で! (で、この思い入れの強さが、一見さんを退かせる要因にもなるわけだ……)

twixt

囲碁っぽいが、ものすごくわかりやすい。古いゲームらしいのだけど、最新作ではない、この手のゲームをnasikaさんらが教えてくれるので、とても有り難い。あぁそうだった、こういうの楽しむのもボドゲだった、と、思い出す。

カルカソンヌ・メイフラワー

Carcassonne - Mayflower: ab 2 Spieler

Carcassonne - Mayflower: ab 2 Spieler

カルカソンヌのヴァリエーション。

ほかの作者がアレンジしたカルカソンヌもいくつか出ている。これは、元のカルカソンヌ作者(K.J.Wrede)自身の手によるもの。

(既に10シリーズくらい出ている)拡張セットではなく、単体で遊べる。

このヴァリエーションが面白いのは、このシリーズを数回遊んだ人ならわかる「面白いのは序盤だけで後半できることが少なくなる」という欠点を、作者自身がやっと認めて、新しい要素を投入した、というところ。

その要素というのが「東から西への大津波」という大技で、津波(じゃないけど)の後ろには何も残らない。後半つまらんなら後半なくしたろうやないかい、という、実に面白い割り切り……というか、開き直り。実際、その狙い通りにシステムは機能し、盤面はずっと序盤がつづく。

ほかにも、クニツィアの二人用カルカソンヌと、コロヴィニの索漠としたカルカソンヌを持っているけど、それぞれデザイナーの持ち味が歪んだ形で出ているのが楽しい。他にもいろんなデザイナーに作らせてほしい。

本作は「ぼくの考えたカルカソンヌ」という一芸披露をやる場に、うっかり元ネタの人が出てきたようなおもしろさがある。

ゲームの内容はまぁ普通のカルカソンヌですが。

カルタヘナ 反乱

「二つの勢力の戦争での、陣営の裏切り」というのは、ゲームになりやすそうで、なかなか難しいものがある。

戦局が、少しでも、どちらかが勝てるほうに傾いてしまうと、雪崩をうったようにそちらの陣営に味方が付いて、さらに一方的になってしまう。これをどうやってゲームにするかが、デザイナーの腕の見せ所。

このゲームは「味方が多ければそれだけ、勝者としての競争が激しくなる」「ゲームの勝者になる条件(金)は、争いに勝つ条件(戦力)とは別」「戦力を集めずに金ばかり集めている奴の下からは、自然に人が離れていく」というデザインが、すごくタイトにきまっていると思った。時間も短くてよい。

サムライ・ザ・カードゲーム (日本版)

サムライザカードゲーム

そういえばドミニオン流行りましたね、と。

私は、自分の好きなボドゲの楽しみ方は「一時期ワーっとやりこむ」ものではなく(そういうのが嫌いなわけではないけれど)、

「そういえばこんな気分のときは、アレをやろう……」と、棚からひっぱり出してきてニヤニヤして遊ぶもの=音楽なんかと同列に考えたい、と思っている。

なので、ドミニオンに対しては、あーそう、今月のヘビーローテーションですか、面白いですよねーたしかに、以上の感慨がわきにくい。

ホビージャパンから一緒に出てる「サムライ・ザ・カードゲーム」みたいなのがもっと売れればいいのに、と、思う。

これはたぶん、環境の問題なんかもあって、不特定多数の人と、その日限りで遊ぶ機会の多さの違いではないか、と最近思っている。ざっくり言うと「東京ゲーマーと地方ゲーマーの違い」。

広げてルールを説明して、プレイしていくと、それまでぼんやりしていた面子の目の色が「そっか……!」と、気づきとともにかわっていくのは、私には大きな喜びだけれど、それを楽しめるのは、面子がある程度固定されていることが前提なんだな、と思った。

このゲームでは、「そっか……!」が存分に楽しめる。

(足りない分は過去記事でお楽しみください)

カタンって交渉が楽しいし、人間出るよね!」という人向けに書いたものです。人間が出るのではなく、仕組みによって感情など簡単につくられてしまうものだと思うから。

追記:ビデオゲーム

Wiiはずっと電源入れてないまま、赤いランプが点灯してる。電源入れたときの「今から何やろう?」という期待感が、やっぱり、あんまり大きくないんだよなー。歳とると、「ゲームをするために電源を入れる」という気力がなくなって、「なんか電源入れたらゲームする気になった」という感じになっていく。360はそういう気分がうまく拾えてる感じがする。