カールじいさんの空飛ぶ家

安定してるように見えるのはCGアニメだからなんだろうか。映画的なおとしまえの付け方が「だよな」が8割、「なるほど」が2割、という、以前観た「ウォーリー」と同じ配合。

10分でイントロ、イントロ含めた30分で序盤、その後40分かけて展開、残り30分で終盤、という感じの構成。イントロからの序盤の密度が高い。で、大人は、開始10分のイントロで涙腺が決壊する。大人は最初で掴まれてしまえば、あとはもうええやろ、どうにでもして、という感じ。子供向けと大人向けで見せるところが違っているのがよくできてる。

クライマックスは「執着を捨てる」シーン。この「新しい冒険」=「活劇」に切り替わる入り口がいちばんかっこよくて、ここは大人も子供も燃えるところじゃないか。序盤の30分で話が終わった気になって、あとはまぁ鳥とか助けて適当にがんばればー、と思っていた大人も、「そうか! そうだよな!」と、ここでまた話に引き込まれる。カールじいさんと感情がシンクロするように作ってあるわけだ。

観ているとゲーム欲が湧くのは病気だろうか。でも、光の演出やものの質感を、CGで「これでもか」というほど見せられると、実写映画とは別の感覚が刺激されるのは確か。「バイオショック」みたいな感じの、作り込んだFPSがやりたくなった。

あとは、犬成分。一昨日「ヘルボーイ」で補給した猫成分とあわせて、そうとう和んだ。

80点。