今日の再生 (LIMBO)
LIMBO
今までプレイしたゲームで5本の指に入るグロさ。
「ゴア表現」的な意味ではなく、もっと生死の際に近い部分で、グロテスクさを感じる。
直接的な表現を避け、いったんモノクロ影絵にリアリティラインを設定した上で、その影絵でおぞましいものを見せられる。水死体を足場に池を渡ったのは、おっさんの長いゲーム経験の中でもはじめてのことです…。
水死体を足場にジャンプする、というのは、もちろん愉快なことではないので避けたいのだが、他に画面内に選択肢がないので、渋々死体の上に飛び乗らざるを得ない。つまりここは、プレイヤーの知恵に対するチャレンジではなく、プレイヤーの倫理に対するチャレンジになっているわけで……それはちょっと新しいと言えるのかも知れない。
あと、高熱で死にそうなとき夢の中にでてくるような感じの人型の敵などが出てくる。斜面の上から燃えるタイヤを転がして殺しに来るとか。
「LIMBO」というタイトルや、ゲーム全体ではオブラートに包んだ描写など、本当の死の世界とはもっと恐ろしいのだ、と言いたげで、それが不気味さを醸し出している。
精神的レーティングは「Z+」。
ゲームとしては、映画的カタルシスがなく陰鬱なアウターワールドなので、大きな感動はない。アウターワールドのイヤな感じ(ガス穴とか、溺死とか)に「うわー」とアホのように声をあげていた自分は、このゲームをかなり楽しめてると思う。
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 1992/11/27
- メディア: Video Game
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イヤなものがゲームの道具に使われると、それで遊んでいる自分が可笑しく思えてくる。その不謹慎さが受け入れられる人向け。人によっては、絶対無理、というか、「許せない」レベルかも知れない。
楳図かずおの漫画が好きな人向け、みたいな感じでしょうか。2D感覚やリズム感やグロ部分を総合すると、手塚治虫っぽいと言ってしまうのが適切な気もするけど、手塚治虫殆ど知らないので。
LIMBO:補足
Twitter検索で見ると、ふつうにプレイしている人が多くて、勿体ないなー、と思う(お節介)。
ほんとうに恐ろしいのは、トラばさみで首がふっとぶ描写ではなく、空中から降ってくるトラばさみの罠を避けようと、主人公を左右に移動させて「よっ、よいしょっ」とゲーム的に処理しているプレイヤーの心のほうだ、と思うんだけどな。池を飛ぶために水死体を踏んだとき、自分の中の何かも一緒に踏んでいるのだ。
LIMBO:補足2
以上は、途中(1時間弱)までやっての感想。あとで印象が変わる可能性も高いけれど、とりあえずやったところまでの感じで書いた。