今日の再生 (LIMBO, Trick x Logic)

LIMBO (XBox 360)

エンディング。まぁこういう終わり方が一番よさそう。自分が作り手なら、最後の仕掛けをクリアした後、エンディングの前に、プレイヤーのアクションを何か一つ挟むように演出すると思う。プレイヤーの頭が「エンディングを見る」ではなく、「仕掛けを解く」にスイッチした状態でいきなりエンディングを迎えるほうが、「最後の敵は新しい仕掛けをwktkしながらコントローラを握っていたプレイヤー自身の醜い心でした! つまり怪物はおぬし! ワーッ!」みたいなことになって、より気分が悪いと思うので……。

アクションパズルの味の上にグロを盛ったのか、グロいアクションパズルを作っていたら洗練されてこの形になっちゃったのか、評価に困る。意外と前者なのかも知れないな。

水死体を踏んで渡れる精神力があるなら、それ以降はたいしたことないので、おもしろいアクションパズルとして楽しめると思う。しかし物理ゲーとはいえ、「風船」はちょっと雰囲気から浮きすぎだったような。おなかのふくれた水死体でもいいんじゃないの……。

Trick x Logic (PSP)

ちょっと試す。

ミステリADVというより、DS「スローンとマクヘールの謎の物語」に近い。小説の記述の気になる部分を、いくつかピックアップして、「(これらの記述について)推理」を実行すると、選択が適切なら、ロックが外れて「仮説」が手に入る。ある程度仮説を出さないと解答できない仕組み。

「推理」から出てきた仮説も、次の「推理」の材料の一つとしてピックアップできるところがミソ。そこからまた新しい仮説が出てくることもある。プレイヤーが気づいたところは、それを足がかりにして、より深く掘り下げられるわけだな。

プレイヤーの選んだ記述のピックアップを見て「あーこいつは**について気づいているな」と判定されたとき、「仮説」が出てきて、その部分が深まるという仕組みなので、楽しめるかどうかは、小説のテキストもさることながら、ピックアップ→仮説の配置難易度のさじ加減に尽きる。そこはチュンソフトを信じるしかないな。

確かに、推理ものとして適切な方法だと思う(「安楽椅子探偵」などのミステリドラマを見て、みんなでいっせいに謎解きをするときの頭の働きにかなり近い)。うまくいくと気持ちいいが、仮説のためのピックアップがうまくいかないと、「答えが判っていても、そこに行き着くまでの手順がわからない」というハマリに陥ることになる。そこはフラストレーションがたまりそう。

この方法だと、開発時、サウンドノベルのように分岐を死ぬほど書いたりする必要がない。スタッフにミステリ編集者がいれば量産がききそう。ゲーム的競技性を持たせたミステリの読み方として、いい筋なんじゃないかと思う(もっとUIに工夫の余地はありそうだけど)。これまで、そういう遊びをしたければ、「安楽椅子探偵」や「ミステリーナイト」みたいに、時間と日限の制約のある下でキリキリやるくらいしかなかったわけだからね。あと、ホームズのゲームブックとか。ああいうものを「一人でちょいちょいやりたい」ニーズは確かにあると思う。

問題は、ゲーム好きな人にもミステリ好きな人にも「微妙」と思われそうなところか。どっちも好きなら問題ないですが。

「このゲームにおけるルール:1) 記述は全て真実である。ただし犯人だけは嘘をついている可能性がある。2) 動機の強弱は解答には関係しない。3)……」みたいな規則が提示されるが、この提示のところで「キターーー!!」と目の色が変わる人にとっては……いやべつにおすすめしなくてもそういう人は買うだろうこれ。

TRICK×LOGIC Season1 - PSP

TRICK×LOGIC Season1 - PSP

というよりこれはあれだ。このゲームをやらせて食いつきがよかった人に「こんど安楽椅子探偵の放送あるとき一緒にやりましょうね〜♪」みたいに言うための、一本釣りのための撒き餌として使うのが一番有効だよ。