今日の再生 (ドラキュラ、96時間、ダークマン)
ドラキュラ (Horror of Dracula, DVD)
クリストファー・リーのドラキュラ。1958年。
昔の映画を全然観てないのと、原作が大作すぎるので映像化は無理だろう、というあきらめもあって、ちょっとよく評価できない。セットの数が少ない中ですごくがんばってる感じはする。
いろいろと話が簡略化されていて、原作で感じた怖さ(私は序盤の「東欧怖い」「没落貴族が召使いもなしで手づから作った飯怖い」あたりの気持ち悪い感じが一番好き)が感じられないのはちょっと残念。ジョナサン・ハーカーは最初からドラキュラを倒すために城にやってきた、という設定。
ジョナサン・ハーカーの婚約者ルーシーが(原作とは違って、アーサー・ホルムウッドの妹として出てくるルーシー・ホルムウッドが婚約者ということになっている)、ドラキュラに魅入られてしまって、自分から窓を開けてドラキュラを迎え入れるところは、待ち焦がれている顔がすごくいやらしい。
ヴァン・ヘルシング役の俳優と衣装は、どことなくシャーロック・ホームズを思わせて、これはなかなかいいなと思った。混沌に対峙する理性の象徴なので、老教授よりホームズのほうが様になる。
「ドラキュラは動物や霧にならないのか?」「それは言い伝えであって、実際には目撃例はないんだ」というのも、面白い。時間と予算がなかったからそういうことにしたのかも知れないけど…。女性を襲うところはほとんど性の暗喩になっているのだから、ドラキュラ像ももっと人間の部分を前に出して描いていたらどうなっただろうか。
53点。
96時間 (Taken, DVD)
「初老」といっていい面構えのリーアム・ニーソンのセガール拳法が炸裂…と、下馬評通りの内容。
「吹き抜けがある家でリアルタイムで誘拐が行われつつある様子を電話で実況させる」というアイデア、おもしろ…と、これも評価通り。
最後、娘を人質に取っていた人買いの金持ちを有無を言わさず銃でヘッドショット…→「来てくれたのね…!」ええっ…普通それ娘は引くでしょ…という触れ込み(シネマハスラーPodcastを聞いて観たのでかなり誘導されて観たと思う)だったけど、これはそれを踏まえて若干の気まずさが出ているシーンだったと思う。エンディングは全てが白々しくて、殺人マシンになってしまった男の虚無感が…感じ取れないこともないと思います。
展開も画面もスピーディー。67点。