クレイジー・ハート

落ちぶれたカントリー・ミュージシャンが、旅先で女に出会い、深い仲になるが、自分の駄目さが元で失敗してしまい、また一人になり、自分を見つめ直す。という映画。

マギー・ジレンホールがいい感じで歳を取っていて、それなりに危なっかしい人格の人、という芝居がよかった。

他愛もない話なのだが、ラストは感動的。主人公のジェフ・ブリッジズは、アル中を克服して再起を果たすのだが、それを、「主人公がコンサートで歌う」というシーンではなく、「主人公が提供した曲を弟子が歌う」、という方法で表現している。

「男と女の間のちいさな出来事は忘れ去られ、その出来事から書かれた歌だけが、人の間に広がり、記憶に残る」といいたげで、それはこの映画の最初から最後まで貫かれているテーマだと思う。

カントリーの演奏がたくさん聴けるのがいい。ジェフ・ブリッジズもいいし、コリン・ファレルが歌う伸びやかな声には「あ、確かにこりゃ人気でるわ」という説得力がある。

カントリーミュージックの伝わり方にも興味がわいた。

74点。