小さな村の小さなダンサー
今年3本目。
感想
なんか中国の村出身のダンサーががんばって泣いたり喜んだりする話なんだろ……?
と思って観た。その通りだったが、これはよくできてる。
ノンフィクション(自伝)を元にした映画。中国共産党に批判的な内容(毛沢東を「ミャオ」と呼んでからかったり……)もあるけど、一応中国側のスタッフもいるらしい。まぁその程度には丸く収まってた。
- 山奥の小さな村で育った少年が
- 政府にかり出されてバレエダンサーの寄宿学校に入り
- 努力を積み重ねて成長し
- アメリカに渡り、成功する
- 恋をして
- 別れがあって
- 家族と自由の間で悩み
- ラストは感動的な公演
……いや、ほんと、ここに書いたまんま。ラスト近くのバレエのシーンなど「おいおいそれで泣かしにかかるのかよ……」と言いたくなるベタで大団円な展開。(泣きますけど)
でも、映像のテンポがよく、ストーリーが常に、ちょっとしたフックを残しながら進むので、退屈しない。なんてことない話なんだけど、見せ方がうまい。映画ってこうやって作るんだな、と思った。そこに盛りつけられた美しすぎるバレエの映像については、言葉もない。バレエも含めて、私は音楽が中心に据えられた映画に甘いのかも知れない。
カイル・マクラクランが「デキる弁護士」役で登場するのだが、カイル・マクラクランがデキるっぷりを発揮すると、クーパー捜査官が思い出されて、笑いがこみ上げるのである。ツイン・ピークスDVDの特典映像の中なんかでは「えっ、こんな老け方するんだ……」っていう感じの顔立ちになってたけど、今作では適切に老けた顔で、ストーリーの中でもいい感じの息抜きになっていた。
79点。そんなに高いか…? まぁこれくらいのベタなものを「へっ」と笑い流せるくらいには、今後経験を積みたいです。