ゴーストライター

ユアン・マクレガー主演のサスペンス。元首相役にピアース・ブロスナン

監督はロマン・ポランスキー。「ナインス・ゲート」しか観てません。

story

主人公の"The Ghost"(名前は呼ばれない)は、前首相の自伝の代筆の仕事を請け負う。いわゆるゴーストライターの仕事だ。前任者がフェリーの上で謎の事故死を遂げており、なにやらきな臭いが、主人公は持ち前の押しの強さで仕事を引き受ける。直後、前首相がイラクで人質を拷問する指示を出した、とのスキャンダルが報じられる。訴えたのは前首相の側近だった。ひとまずは自伝の仕事があるため、前首相の滞在するアメリカの小島に飛ぶが…

notes

端正な、という感じではなく、あちこちに「サスペンス」の外連味をちりばめた、80年代の映画みたいな味わいだった。舞台設定や話運びに「そ、そんな感じか……」と思うことたびたびだが、嫌いじゃない。 今日日同じテーマで作るなら、もっと情報を圧縮するなり、別の軸を重ねるなりして、もっとクールな映画になってると思う。でも、こういうのもいいもんです…と、ほのぼのしながら観ていた。

首相夫人に誘惑された後、バスルームで鏡を見る、という、すさまじくベタなシーンなども、ふしぎと腹は立たないものだ。

アメリカの離れ小島がちっともアメリカに見えないのが笑い所なのだろうか。映画の中で前首相はアメリカをいつまでも出国できないが、このへん、アメリカに入国できないポランスキーの怨み節みたいなものなのかも。

76点。