今日の再生

ジョニーは戦場へ行った

クリスマスだし。

I'm the boss, this is champagne, merry christmas!

モノクロ部分の救いのなさは、正直「だな」ってくらいの話だが、夢と回想のカラー映像部分=ジョニーにとっての現実の破壊力が強烈。なんでオレの夢が勝手に映像になってるの……くらいには思った。

このクリスマスのシーンといい(「戦争がはじまりますのであと3分でパーティーはおしまいです」ってところが特にクる)、「竿をなくした」と言って父親にだっこされるシーンといい、悪夢ではないが何か狂ってる感じが夢すぎる。

さいしょ、ベッドで目覚めたときには、ジョニーの意識は夢と回想が入り交じっている。カラーの映像はまるで時間を超越しているように見える。ほとんど全ての感覚器と能動的に動かせる部位を失って、現実へのとっかかりを失ってしまったジョニーにとっては、夢がほとんど現実のようなものだ。

そこに心優しい看護婦がやってきて、「Merry Christmas」と裸の腹に書く。書くことで、これまで知りたかった「時間」がわかる。メリークリスマス! 夢のなかでジョニーは叫ぶ。しかしそれは、「時間」によって再び現実の世界とつながりを持ってしまうことでもある。

時間がわかり、外の世界との通信手段を得て、世界の中に位置づけられることによって、絶望に向かっていくというのが、この映画のテーマなんじゃないかな、と思った。