最近の再生 (叫、ほか)
バーン・アフター・リーディング(DVD)
叫(DVD)
- 面白かった! 途中でわけわからんちんになった「カリスマ」「ドッペルゲンガー」より楽しんで観ていた。
- 「こういうのが黒沢清だから!」っていう自己引用みたいなので楽しんでいるふしもなくはない。医局で医者が筋弛緩剤をくすねるシーン、後ろでいろんな人が歩いているのだが、いつその一人がこっちに入ってきて鈍器で頭を殴打するかと、気が気では無い。
- 死者(幽霊)の目線で見ている映像がぞわぞわ来る。死体置き場のカーテンとか、団地の窓の外から撮ってるところとか。
- 幽霊をそんなにはっきり撮ってどうするんだ……と思ったが、葉月里緒奈の顔はたしかにおかしな説得力がある。美人なのだけど、まじまじと見ていると、顔認識がゲシュタルト崩壊を引き起こして、「うわっ、やっぱり人間じゃない……」と思える。他の女優だってこんなふうに撮れば異常に見えるのかも知れないが……。
- 幽霊の絵そのものでいえば「潮の声」を超える怖さ。
- 忘れてしまったぬかるみからの声というのは、今思い出すと「うわーっ!」となってしまいそうな自分の過去の言動だけでないのかも。未来から見た今は過去なのだし。
吸血鬼ゴケミドロ (DVD)
- あちこちほじくり返して見るには、ちょっと時間不足だった。
ちはやふる(漫画) 5巻まで
- ネームが安定していてすばらしい。安心して感情を委ねられる。
- これ読んで「競技かるたもアツいことがわかった!」というのは、まぁ、そういうふうに作ってますからね、というしか、なので、そのへんには特に興味なし。
- 感心したのは、ちゃんと彼らの視野の限界みたいなものを描いているところ。
- 「うちの高校の将棋部や囲碁部」として、他の文化部のことがさらっと触れられて、そういうのは我々がやってるガチの勝負事とはちがうお花畑なんだ、みたいな評価がされるんだけど、たぶん実際には、そんなことはないわけだね。
- 仮に囲碁部将棋部がお花畑だとしても、それなりの文化部的な悩みや葛藤はあるだろうし、その葛藤が、技量のある別の漫画家によって描かれる余地はある。
- しかしともかくも「ちはやふる」という世界の視野の中では、主人公たちは「あれはお遊び、かるたはガチ」と評価して、自分のことを一生懸命やることに決めたわけだ。それは極端に言えば、無理解な「遮断」ではあるけど、「遮断」したことをちゃんと描く清々しさはあるなと思った。