最近の再生

人生はビギナーズ(映画)

やっぱ予告と全然違ってた……。時制はすでに父が亡くなった後。父がカムアウトしてから死ぬまでの回想と現在をカットアップして進行。まぁなんというかこの独身男にとって全てのことは「気がついたら終わっている」し、「そもそも気づかずにぐるぐる同じところを生きている」のじゃないのかと。そんな男でもメラニー・ロランのような美女とつきあえる(ただしユアン・マクレガーに限る)。「歩いても 歩いても」で阿部寛がぽつりと「いつもちょっとだけ遅れてしまうんだ」と言うシーンを思い出しました。

アニマル・キングダム(映画)

これは意外とめっけものでした。母をオーバードーズで亡くし、祖母の家で犯罪者に囲まれて養われることになってしまったボンクラ高校生。ボンクラ顔がだんだん男の顔になっていきます。ばあちゃんのしたたかさ・気持ち悪さ(悲しいわよね、ハグしていいのよ、と迫ってくる)は出色。

話運びもよく、きっちり最後に主人公の二択になる。

タランティーノ激賞だったそうですが、タランティーノだったら最後はカンフーでぶっ殺して「THE END」とか出す! と思いながら観てました。

J・エドガー(映画)

要再履修。ディカプリオとウィンクルボス(γ)*1が殴り合いのすえズギュゥゥン、というのを予想はしていて、実際そうだったけど、そういう映画ではない。ナオミ・ワッツはやはりやる女。

アンストッパブル(録画)

なんにも内容ないのに面白いじゃないですか……! 映画館で観てたら、大カーブを曲がるシーンでは「おおおお」と声が出てるはず。そういう巧みさ。

es(録画)

初見。さいしょ記録映画っぽく撮ってたら「全然つまらんからおっぱいとか交通事故のシーンとか足してよ」とプロデューサに言われて急遽女性をキャスティングした……のではないかと思えるような構成。女が銃を手にとるシーンとか、注目させるだけで全然本筋と関係ない……。

私はそういうサービスは映画に必要だと思っているので嫌いではないけど、滑っているギミックもある。あの未来メガネはさすがにリアリティを破壊しているのではないか。記録映像っぽいモノクロの画を入れたい、という意図があるのだろうけど。

看守役の熱演で気分は悪くなるけど、これ観て「人間って怖いですね」はないだろ。「自分の良心に反する行為を強いられると、良心を守るために指揮系統を過剰に尊重する」「これも実験だな! とフレームの外を疑い出す陰謀論者にはいかなる説得も無駄」みたいなものの恐ろしさは垣間見えたけど、基本は看守ふたりのゴリ押しで場の空気が危険に傾いていく進行。状況にハマる気質の人間もいるかもしれないし、そうでない人間もいるかもしれない。そういうのをおおざっぱに「人間こわい」ってまとめるのなら、「こわい」ことはいくらでも繰り返されつづけるだろう。

*1:ウィンクルボス・αとウィンクルボス・βが……的な意味で