ドトール日記

ミラノサンドを食べていると、傍に座った女の子二人連れが、とりとめもなく話していて

「やっぱりみんな会社の人だってこっそりやってるらしいけど、100万超えたら…」
「デジタルセットっていうのが安くって…」
「なんか、簡単に株ってやってるよね、安く買って高く売って…」

聞いているうちに、まぁこれはコーヒーのせいもあるのだけど、ふつふつと怒りというか、やりばのない感情がこみ上げてきて、「うるさい馬鹿」と、脳内で怒鳴ってしまいそうになった。

べつにその人たちに腹が立ったというわけではなく、彼女たちのゆるーい話と同じボリュームで、自分の脳内でおしゃべりをはじめた「非モテ」「エイベックス」「日本の将来」もろもろのことばがあり、そしてそれらの結論のなさ、結論のなさへの反省のなさ、に対して、むかむかしてきたからだった。

「恥を知れ」、というのが一番近い言葉だ。わたしだって馬鹿で恥知らずの一人だが…

しかしわたしは、ゆるーい話の影にひっそり横たわる不安や喜び、つぶやきについては、耳を傾けたいと思うし、そのためにここにいるのだと、思い直した。