ボードゲームと謎めき
昨日その友達とは、酒が入っていたので複雑な遊びはできないという判断を、自分もしていたらしい。気が付くと「プエブロ」を広げていた。
わたしの部屋に積まれているゲームを、いつやるか、誰とやるか、という、趣味に関する馬鹿話を枕に、「そういえばねぇ…やってないゲームはあんまりないけど、わかんないゲームはいろいろ…」と、ゴソゴソと出して、床に広げた。
酋長の視線に自分のブロックが晒されないように配置し、酋長を移動させるのだが、相手も同じことをしてくる。4歩しか歩けないという酋長の移動の制限事項をきちんと考えて、手を読む必要がある。
おそらく、慣れると、それだけではなく、人に自由にブロックを置かせないような自分のブロックの配置というのがわかってくるはずで…しかし
「うーん…」
「微妙でしょう…」
「本当にそこまで考えてやるの、ドイツ人?」
「家で数十回やらないと、わかんないよね」
「いやそういう国民性で瞬時に面白さが理解できるとか…」
「うーん…」
と、両者、面白さが飲み込めないまま。だいたいこれはファミリーゲームとして売ってあるはずのものなのに、こんなガチンコの失点かぶせゲームにしてどうするのだ。
「単に置いて酋長動かして失点って…そこまで深い戦略性があるのかどうかもわからないよねぇ…。」
「あーでもね、これには追加ルールがあって…自分の失点を使って、手番を競ることができるんですよ」
つまり、今のゲームでは交互にプレイしていた手番を、どれだけまでなら失点を払っていいかという損得勘定に基づいて、失点額を宣言し、その失点額の高い人から、毎ラウンド好きな順番を取ってプレイしていい。
「そういう話を聞くと、なんか深みがあるような気がするよねぇ」
「…でしょう…?」
「今まで、なんってことのない積み木ゲームだと思ってたのが突然…」
「突然失点計算とかやらされて…なんかあるのそこに? って思うでしょう」
「…騙されてない…? 適当に入札のヴァリアントつけとけば深読みして遊ぶんちゃうん? というデザイナーの投げっぱなしプレイとか」
「その可能性もある」
こうやって、よく分からないゲームについてああでもないこうでもない、と喋っている時間が好きなので、この「プエブロ」についてはかなり元を取った気になった。