今年のゲーム十選 2006 (1/3)

まずは今買えるものを3つ。

1.郵便馬車

都市カードを取って、経路が一筆書きになるように、自分の前に並べていく。比較的単純なゲーム。
他人との絡みは多くはないが、決してソリテアではない。(もーほんと、これもサンファンもソリテア扱いではゲームもデザイナーも可哀相だ。)
微妙に影響力を行使してゲームの流れを変えるチャンスは一度ならずあるし、戦略にも「中央ドイツを狙ってポイントを取るか」「周辺部の役を狙うか」という大きな二択があって、その選択も場の状況で変わる。接続が難しいポーランド方面を狙うタイミングなどもある。
また、それらのゲーム要素が「地図」という形になって、表現されているのがすばらしい。「乗車券」にシステムが似ていると言われるけど、あれの地図は置き換え可能。このゲームは地形がゲームの根幹に関わっているので、置き換えが難しい。そういう、ゲームの全体性みたいなところも個人的に好み。
ルールの少なさと、プレイ時間の短さ、ずっとケツを叩かれているような切迫感がよい。どういうゲームか知っていても、この切迫感を味わいたくなって、時々プレイしてしまうことがあると思う。好ゲーム。

2.バイソン

「吐くほど考える」
「鼻血が出るくらい(ガチなので)面白い」
レビューは以前誉めすぎたぶんにゆずる。

3.タルバ

陣取りゲームのように見えてそうではない、不思議な感覚のゲーム。

早く駒を減らしたプレイヤーが勝ちなのだけど、減らすべき駒が3種類あって、終盤ぴったりと減らしていくのには頭を使うし、邪魔も入る。
手番が回ってきて、まだあがってないのに駒が投入できない状態になったら失格。まずこのサドンデス感が独特。
もう一つ。このゲーム「勝ち抜け」なのである。1位で上がれたプレイヤーは、ゲームを終えた自分の利害とは関係なく、クリティカルな場所にタイルを配置して、2位3位の状況を混迷させ、相争わせることができる。

これはれっきとした嫌がらせであり、競技的な視点で見ればまったく不要のものだ。
でも私は、この野蛮な感じがいいと思う。トップで早上がりできれば、剣闘士の戦いのさなか、檻から虎を放すローマ皇帝のような気分になれる。それが、ゲームに勝つためのモチベーションとして機能するのは愉快だと思う。

嫌がらせ含みのルールや、火山の噴火で集落がどんどんつぶれるというテーマに似合わず、木の駒が上品でいい。