今年のゲーム十選 2006 (2/3)

ポラリティみたいな「発見する」ゲームを年1くらいで見つけられたら幸せかも知れない。
この3作も、国内のショップでまだ普通に買える。(大聖堂はこれから取扱開始)

4.ポラリティー

繊細な磁石ゲー。
二人対戦ゲーム。双方知識ゼロの状態から、ちょっと知っている人を審判にして遊ぶと、めちゃくちゃ面白い。対戦格闘ゲームにはじめて触れたときのような興奮が得られる。
プレイヤーは手探りで、何が戦術要素になるのかを見極めていく。一つテクニックを覚えるとそれで少し強くなった気がするし、そのテクニックの磨き方には果てがない。「駒を配置するときの布目の方向や布のカール具合」といったところにまで、神経を行き届かせ、工夫する余地がある。
一手一手、プレイに集中するごとに、自分だけでなく、相手のプレイ中の磁力線の手応えまで実感できるようになる。
ゴルフにはまる人の気持ちが少しわかる。
タイトルのリンク先の写真では何が面白いのかまるでわからないかも知れない。
しかし、一度経験した人なら、磁力線の芝目が見えるのである、これが。チップが3つか4つ重なって「塔」になると、その周囲の地面が凹んでいるような気がしてくる。
本気でプレイしたいなら、もちろんエアコンは止めなければならない。

5.アウグスブルク

ヤーコブ・フッガーの使いになって、貴族に金を貸して名声を勝ち取る。

ポーカーふうのビッドで他人を振り落としていって、最後に残った者が自分の身分を上げる権利を取るのだが、その身分自体が、ビッドに関わる能力を含んでいる、という趣向。
どういうふうにビッド用のカードを集めて競りに勝つか、という点がポイント。あと、うまくビッドに負けると残念賞の100Gが貰えて、これがかなりでかい。
ちょっとまだ勝つためのプレイがわからない。序盤は金とカードを蓄えて、後半ダッシュするんだろうな、という感じはするが、そのバランスや対応策がよくわからない。
システムはシンプルなのに、戦略は混沌としている。そのわからなさがいい感じ。

6.大聖堂

ケン・フォレットの同名小説のゲーム化。原作つきのゲームだが、雰囲気がよく出ているし、ゲームの内容もとてもよい。

アクションの選択が「ケイラス」っぽいので比べてしまうが、個人的にはケイラスより好ましく感じる。

ケイラスのように、ガチンコの手順ゲームに煮詰めず、手の育成という今風のドイツゲームに着地させたところがいいと思った。自分の手(生産システム)はある程度自分で作っていけるので、「石重視」「序盤金属を貯金」などの基本戦略が立てやすい。繰り返しプレイして、試したくなる。
ルールを読んでいるときには、アクションを選べる手番の順がくじ引き、というあたりに目がいった。話だけ聞くとかなり出鱈目に思えるが、思ったほどゲームを壊していない。選択肢の多い先手番はそれに応じてコストを払わなければいけないし、本当にほしい行動の選択肢は限られているから、その選択と価格の間で悩むことになる。

原作読んでるなら、単なるキャラゲーとしてプレイしても、十分成立しそう。コンポーネントが多いのがちょっと気になるけど、息苦しさを感じない、いいゲーム。