日記(偽雛見沢)

街中は祭の馬追いで人が多かろうと思っていたが、夕方腹ごなしがてら自転車でぶらぶらしていたら街中に近いところまで行ってしまって、ラッパのおはやしで気がついた。

本妙寺あたりまで行ってみようかと思ったが、行く道を間違えて、「峠の茶屋」への道を上ろうとしていた。途中に石切場跡を作り直した公園などがあり、昭和50年代にはさぞかしこの近辺は恐ろしかったろう、と思った。数十年前は実際に爆薬を使って石を切り出していたとのこと。

自分の小中学生の記憶に近い「怖い昭和」の雰囲気を残した場所を撮影してまわって、客観視して忘れてしまいたいなどと、つねづねぼんやり思っている。しかし、歩かないとデジカメも使わない。早朝に街中を出て、峠の茶屋まで徒歩で上るのは、いいハイキングになるかも知れない。茶屋までの脳内の「怖い昭和」の山道の途中には、鉈を持った少女はいないが、鎌をもった鬼のような形相の婆さんはいる。

この休み、特に予定はないので、このあいだ買った「GTAIV」をやりたいのだけれど、気合いが入らず、ついゲーム機を入れると「ジオメトリウォーズ」をやってしまう。GWRE2をやめて、GTAIVの起動ディスクを入れて新しい遊びを始める種類のやる気が、全般、自分の人生には欠けている。しかし、上の段落に書いたような日記が書けるくらいの没入度でないと、面白くなる気がしないし……。ゲームの中でそうなるには、まずミッションの進行を止めて、家の近所の「散歩」から始めなければいけない。気の長い話だ。