あの夏の子どもたち

家族を愛する映画プロデューサが、会社の資金繰りがうまくいかなくなって自殺する。残された家族は、父が本当に自分たちを愛していたのか確かめるように、生活を続ける。

残された長女のけなげさが、泣ける。父親が関わった「正直よくわからん」映画も、ちゃんと観に行って、監督に「完璧でした」と伝えるのは、つまり父親を理解しようとしてるのだし、若い映画監督と仲良くなって、「幸せな結末にして!」と、彼が作っている映画に意見するのも、その現れなんだろう。

慌ただしく事務所をたたみ、タクシーに乗り込んだ家族がパリを離れるラスト、「ケ・セラ・セラ」が流れる。このあたりの感覚は、ちょっと理解に苦しむ…。「理解なんてできないもんだよ」というなぐさめにはなっているかな。

73点。