テッド・チャンあなたの人生の物語』を読み始めた。

げんざい、「理解」の途中。あーこれで「アルジャーノン」をSFと呼ばなくて済むというか。これまでやっぱりひっかかってたのですよ。これからは言える。<「理解」はSFだけどオレの中で「アルジャーノン」はSFじゃないデス。以上>何がSFで何がそうでないか、みたいな、SFというジャンル内の原理原則とかはどうでもいいのだけど、SF好きな人が読むお話というのと、思考実験としてのSFというのはやはり違うものだと思う。ぼくはまだSF好きにすらなっていないので、後のほうのものを沢山読みたいのである。

アルジャーノンで書かれていた、「あたまがよくなることはほんとうにいいことなのかなぁ…」の「…」の部分を踏みつけにして「そんなんいいことに決まっとるじゃろが、YESYESYESYES!」というところから始まってるのが痛快。いいに決まってますよ。とりあえずいいって言ってみるのがSFなんだ。

「あたま」って何だろう、「よくなる」って何だろう。知りたいのはそういうことなのだ。それを知りたいなら、自分の立っている場所を変えなければならない。「…」と逡巡して溜息をつくためにSFを読んでるんじゃないのだ。

同じようなテーマを扱っているようだけど、この「…」に向かって全力疾走してるのが、イーガンの短編なんじゃないか(イーガンが嫌いなのではなく、それはそれで、全力っぷりが好き)。そう見立てると、チャンとイーガンって、向いてる方向がかなり違うのではないかとも思った。ってまだ読み始めたばっかりですが。