ハグルのデザイン

昨日、思いつきでこねまわしていた「ハグル」のルールだが、なぜ自分で考える気になっているかというと、普通にやってみて「交換」の必然性が薄い、と感じたから。

ハグルがどんなものかについては→google:ハグル

プレイヤーはルールの欠片をいくつかと、トークンをいくつか与えられ、交換によってトークンの価値が大きくなるように行動する*1。が、最初はどうすれば価値が大きくなるのか判らないので、ルールを交換して、ルールの全体像を掴もうとする。

しかし、「トークン同士を交換してその価値を競う」というのは、考えてみればおかしな話で、それ以外の条件はほぼ平等な状態で交換に臨むわけだから、ルールが全員に周知されてしまえば、最適解はかなり容易に見えるはずなのだ。そこに大きく差が出てしまうのは、単にゲームが「プレイヤーの交換のスピード」に依存しているということなのだと思う(ルールをさっさと理解して他プレイヤーを出し抜いた人が勝つ)。

わぁなんか、ビジネス書みたいな書き方だ。わけわかんないので例示しよう。たとえばこんな感じ。


【プレイヤーに配られる袋の中身】
ルールの欠片 1つ
トークン:赤または黒のボール 若干個

【ルールの欠片】
1)赤いボールは1個1点
2)黒いボールは1個2点
3)このゲームは得点の少ない人が勝ち

これでよーいドンでスタートして、情報とトークンの交換を繰り返し、ゲーム終了時に勝利条件に近い人が勝ち。

ルール1や2を貰った人は、自分の持っている情報の全体の中での意味がわからないので、他のルールを知らないことにはボールの交換ができない。たまたま黒いボールが手にあってルール2を貰った人でも、初期状態では、「黒は2点」がどういう意味かわからない(赤は5点かも知れない)ので、交換しないわけにはいかない。

ルール3を貰った人は、大事な情報を手放したくないはずだけど(3を自分しか知らないのなら圧倒的に有利な筈)、他のルールがわからなくては動けないので、どれだけすごいルールでも、他の人とルールを交換してしまうのだ。逆に、この情報を活かそうとする場合、情報が漏れないように交換をやめてひきこもらないといけない。このあたりがなんというか、ゲームとして非常に勿体ない。

まぁそういうゲームなのだといえば、そうかも知れないけど*2、もう少し捻りようがないかと考えてみる。

ポイント:

  • 基本的に「交換」というのは、プレイヤーの資源状態が質的に違うところから生まれるもの、なのではないか。
    • カタンにおける資源の交換でいえば、「麦」と「羊」はゲーム内での意味が違うし、プレイヤーの状況によっても価値が違うから交換に意味があるということ。
  • 「交換」が「ゲームになる」というのは、最適解が見えにくいからなのではないか。

できれば、資源の状態に偏りがあるままでも何らかの戦略が選択できて、それで勝ちがねらえるようにしてみたい。簡単に言うと、勝ち筋が複数あって、どれを狙ってもよいようにする。どれが有利かは、見えにくくする。

各戦略間のバランスをとるのが大変かもしれないけど(たぶん、場にいくつくらいトークンが出るとか考える必要がある)、そこは、ルールが完全には見えないということで文句は出ないかも…。

とりあえず自宅のプリンタをちゃんと設定します。

*1:これはぼくがやったハグルがそういう実装だったというだけで、ハグル自体の枠組みは「交換でルールを理解していく」程度のものだと思う…たぶん

*2:いつものごとく、このゲームで勝てないからオレは難癖を付けているようです