そういえば昨日紀伊国屋で、文庫の、早川創元棚の前に、黒い服を着た、みかけ30代くらいの金短髪の男性と、それよりすこし年上の女性が立って、ポケミスや創元の復刊を手に取り、ちいさな声で話をしていた。わたしは田舎者なので、そういうのを見るだけで「ああっ、なんか空気が違う…このミスに選評出してる人みたい」と思った。本をたくさん読んでる人が本棚の前を通ると、それで本が振動する感じだった。

わたしはいい年してださい格好で町中をうろうろしていて、最近よくキャッチに声を掛けられるので(シャツの裾を出してるとヒット率高いです)、あえてそういう雰囲気(ミステリとか愛読してる感じのタイプのキャッチがあるとすれば、そういうの)にこそ注意しようともちょっと今思いました。

今は明らかにキャッチの人はわたしにとっては魅力がないし、話しかけてきて2秒後に「あたし松尾って言うんです、まっちゃんって呼ばれてます」とか自己紹介された瞬間に、心が固く貝になってしまうのだけど、それは人選の問題で、わたしが好きっぽいタイプのキャッチ(黒い服、年上、男女二人連れ、ミステリ談義してる)の人が現れたら、話をあわせようとヘラヘラ付いていくのかもしれない。