木曜日(2)

あたしの容姿について、外の世界ではいろいろ想像で書かれているかもだから、あたしも想像であたしの容姿を書いておく。身長156cm、髪は短くて黒、やせぎすで、こめかみから斜め前に角が二本生えている。角は骨格の一部が盛り上がっているもので、親不知と同じ(そうらしい)感じで肉を盛り上げていて、小2のときこのままひっぱると容姿だけでなくかみ合わせや脳の機能にも影響が出ますよ、と言われたので切った。角ではなく肉の方を十字に。今あたしの角は5センチの長さになって額から斜めに飛び出している。般若と同じ感じだ。台風の日みたいに気圧が乱高下する日は頭痛くて死にそうになる。

あたしのこの角のことは、容姿にかかわることだから、クラスのみんなは言ってはいけないということになっていて、逆にいえば、ここに触れられたらあたしは怒っていいということでもある。怒りのトリガー、ってわけだ、東方仗助のリーゼントとおんなじ。前髪はちゃんと切っていつもこの角が他から見えるようにしているし、髪をとめるのにも便利がいいから使っている。

正直、自分が罪される立場になるなんて、生まれてから今まであたしは、考えたこともなかった。先生や親が必死で守ってくれていたし、そういうものだと思っていた。