サンクト・ペテルスブルク
(http://sanjuan.g.hatena.ne.jp/mutronix/20040820#p1 の内容と重複)
http://ejf.cside.ne.jp/review/sanktpetersburg.html
サンクト・ペテルスブルク市に、職人や貴族を連れてきて、建物を建てて発展させるゲーム。サンファンと同じように、建物に特殊能力があったりするのだが、数はそれほど多くなく、地味なゲームだなーというのが第一印象。
ルール
お金を使って買ったカード(職人・建物・貴族)は、収入(お金)か勝利ポイントのどちらかをもたらす。
「お金を得るためにお金を払ってカードを買う」、というのはおかしな感じだが、決算が行われるたびに、「自分の前に買ってある(以下、建てると表記する)」カード全てから収益が得られるというところがミソ。つまり、収入も勝利ポイントも累積する。
ということは、同じカードを建てるにしも、早いラウンドに建てたほうがトータルの収益は大きくなるわけだ。ゲームは「カードが尽きた」年(1年は4ラウンド)に終了するというルールになっているので、「いつ終わるか」を意識しながら、収益効率がよくなるように建設を進めていく必要がある。
あと1ラウンドで終わるというときに「20コストで勝利点6」の建物を買うのと、ゲームの最初から「5コストで勝利点1」の建物を持っていることが、ポイントだけで見れば、等価だったりするわけだ。*1
以上が「職人」「建物」について言えることで、貴族に関しては、これに加えて「集めた種類の数だけのボーナス点」がゲーム終了時に貰えることになっている。このボーナスが非常に大きい。建物で勝利点を累積させたいが、ボーナスも欲しい…というジレンマに悩むことになる。
特徴1:カード補充のシステム
基本システムは上に書いた通りなのだけど、このゲーム、「職人」「建物」「貴族」*2のカードの出方がいやらしく、それぞれのフェーズで、前のフェーズまでで取られたカードの空きスロットに、山からオープンされて埋められていくようになっている。
つまり、前のフェーズで沢山カードが取られると、次のフェーズでは沢山新しいカードが出るし、そうでない時には新しいカードが出ない。だから、お金を溜めておいて、場のカードの枚数をコントロールすれば、他人が建てられないときに、自分だけが、ある種類のカードを建てまくる、みたいなことも可能だったりする。
特徴2:握りシステム
この、カード補充の緩急を、プレイヤーがコントロールするために、「場から取った札は、すぐ建てずに、プレイヤーが手の中に握っておいていい」というルールがある。
たとえば、以下のようなとき、「握り」で場をコントロールできる。
- 次のフェーズで、たくさんカードを場に出したい
- このカード、次プレイヤーに回したくない
- 次のフェーズは自分が起家なので、人数+1枚の職人カードが場に出れば自分だけ+1枚得ができる(3人プレイで4枚出れば、ABCAの順番にカードを取っていくので、Aだけ得ができるということ)
取ったカードは、建設せずに、無料で、手に握っておいていいのだ。握ったカードは、いつでも建てることができる。
これは、かなり思い切ったシステムだと思うが、ただし、これができるのは3枚まで。ゲーム終了時握っているカードはマイナス点になる。このへんが、あくどい。要するに、握るということはリスクを抱えるということなわけで、場を見て、そのカードを握るだけの価値があるかどうかを見極める必要がある。
感想
単純計算して、損か得かがわかる部分の思考は、基礎事項に近く、これが理解できたところからがゲーム本番という感じがします。そういう意味ではちょっと敷居は高いかも。ゲーマーズゲーム、というほどでもないですが。
他人にとって、あるカードがどれくらい重要で、場札が何枚くらい出るか、みたいなことを、握りと建設でコントロールするところが駆け引きです。
ただ建てるだけならバランスゲームなわけですが、「握り」のマネジメントが、ゲームに深みを与えていると思います。いいゲーム。