「ボードゲーム王国」の付録「ゼロ」

kdgame定例会で「ボードゲーム王国(キングダム)」の付録「ゼロ」を遊んだので、そのことを書きます。

「ゼロ」は、クニツィーアらしいミニマルなカードゲーム。ミニマルすぎるような気もするけど…。手持ちの9枚が、「数が同じ」か「色が同じ」になるように、手を作っていくのだけど、場に出た5枚のカードとの交換で手番が進行する。いい手が出来た人は「あがり」を宣言していい。

基本的に同数字を集めたほうがいいが、同色をうまく集めると有利、でも同色異数字で失敗すると失点がでかいですよ、という仕組み。リスクを背負って手を作っていく、というのは「フロカティサーカス」に近い感じだが、めくりの要素はない。

他人の待ちを見るなど、考え所もあるかも知れない。

っていうかこんな質素なゲームを付録にしていいんですか! フロカティサーカスみたいに華のあるゲームが付いていたらもっと良かったのだけど…っていうかフロカティサーカスをください…(スターウォーズがテーマのフロカティとかまだ現役っぽいから、許可が取れなかったのかも知れない)。

好意的に解釈すると、この「ルールのシンプルさ」と「必要な思考」の落差みたいな部分は、「カードゲーム=ババ抜きと大貧民とウノ」という知識の人には、新鮮に映るかもしれない。こういうのでもゲームになるんだ! という、ゲームシステムへの興味を喚起する、という意味で。

しかし、やりなれてない人にウノとこっちどっちやる? つったら、たぶんウノやるよな…。うんうんうなってカード交換するより、運で「はいスキップ、はいダブル、倍がけドーン!」とかやってたほうが<楽しい>わけであり。

書きながら思いついた

…あぁ、そうか。

別にこれ、所謂初心者を対象にしてるわけじゃないのかも*1

「7スート、8数のシンプルなカードセットを付けたから、自称ゲーマーならこれでゲームくらい自作しようよ」と。「毎月買って遊んでの繰り返しより楽しいこと*2あるんじゃないの?」と。そういうメッセージですか? だとしたら、じつに教育的な付録だと思う…これこそクニツィーア魂!

…ってそれは妄想ですかそうですか。まぁ妄想でも支持します。

買ったら、なんかゲームを考えてみることにします。(まだ買ってない…これがオチです)

*1:初心者を無視していい、と言ってるわけじゃないですよ、念のため

*2:後記:これは手がすべった。「…遊んでの繰り返しより」ではなく「買って遊んでの他にも、楽しいことあるんじゃないの」が適切な表現だと思う。たとえば、自分のプレイに熱中する人や、初心者への普及活動をしている人について、その楽しみ方が間違っている、などと、僕は思うものではない。その人が価値においているものが、追求できればいいなと思う。ある世界で選択できる価値が多様であればそれだけ、その世界は豊かになるにちがいないという、いたって素朴な信仰を、僕は持っている。