将棋の羽生さんの

『決断力』という本をコーヒーを飲みながら読んでいた。内容はいちいち頷ける、というか、ゲーマー的生き方ってこういうものなんだな、なんて思った。勝負師とか、精神論的な単語を全然使ってないところにも好感が持てた。

しかしこの本、いつどういう状態で書かれた文章なのかよくわからなくて、そっちの方に困惑した。編集の手がどれくらい入ったものなのか、単に雑誌に載せたもののコンピレーションなのか、書き下ろしなのか。それははっきりさせてほしいぞ。

新書って、まえがきやあとがきで、これこれこういう意図でこの本を書きます、という宣言をするもんだと思うのだが、そういうのが全然なかったので。ないのが角川oneテーマ21の方針なんだろうか。「はじめに」はあるにはあるが、本文と同じ調子。

羽生さん以外の誰かに「解説」を書かせるとか、本人が一歩引いた視点で「まえがき」「あとがき」を書くか、そういう複眼的な視点を本の中にパッケージしないと、将棋の話に見せかけた単なるビジネス箴言本という読み方をしてしまうかも、と思った。

逆に言うとそういうメタ語りがあれば、書いてあることをそのまま信じたがりな読者より多くの読者に読ませることができるので、洗…もとい、自己啓発本には不可欠な手順だと思った。

…ということを書いていたら

丁度id:mozuyamaさんが、羽生本の「編集」について記事を書かれてるのを見つけた。

とか

こうやって本についてのメタ語りをしてもいいことは少ないので、書いてあったことで頷けた場所、感心した場所を、後で書こうと思います。