数字の本、数学の本

『博士の〜』が映画になっている関連で、ツタヤに「数学の本」コーナーがもうけられていた。そこに『フェルマーの最終定理』がなかったので、なんか逆上して別のコーナーで探して買ってしまった。ひょっとして持ってなかったか? …まさか…。

それはいいんだけど、あの小説では、数学が奇跡や魔法のように捉えられてしまうような書き方が、表面的にされていて、数学音痴の自分も、これはちょっとなぁ、と思えた…。いやそうではなくて、数学、というか、魔法、の使われ方が、わたしは気になるのかもしれない。魔法というのが、ストーリーを盛り上げるための奇跡のスパイスのように使ってあるあたりが。

魔法みたいだ、ということでいえば、初学者むけの数学の本にも、1/7の循環小数をダイヤル式に配置してみたり、といった遊びが書かれていたりする。これも「ね、不思議でしょう」の世界(詳しく見れば不思議ではないのかも)なのだけど、小説に味付け的に出てくる数学よりは好感が持てる(小説の中の数学描写が好ましくないわけではなく、比較して)。不思議の不思議たる力ではなく、不思議の持つ偶然というか演出力に頼っていると思えるあたりが、フィクションの中の魔法が苦手な理由かもしれない。