私の頭の中のメモ帳

さてオフ会のシーズンである。大学生になってmixiデビューして、え何君も熊本なん、そしたら連休オフ会やろうやー、はいはいパルコ前に6時ね、などという待ち合わせをしてはせ参じる、といった一般的な例はおいといて、ブロガー同士のオフ会では人のアーティクルを読んでいることがかなり重要である。なぜってそれしか情報がないから。私などはほとんど他人の日記を読まないので、オフ会が開かれる時期になると、「そういえば**事件の時にですねぇゴニョゴニョ」「あーあれはねゴニョゴニョ」「あ、mutronixさん何か飲み物いりますか?」「あ、カルチューひとつ」と、3時間で自分の話した音節が20に満たないというような空想のオフ会を想像して背筋が凍り付くのである。今書いていても手汗がびっしょりだ。
そこで他人の日記を読もうということになる。ブラウザを開き、参加者(空想のオフ会なので、空想の参加者です)の日記を開いて上から読み始めるのであるが、web2.0時代においてはどうも記事というのは上から下に、新しい順に並ぶらしいのである。これが非常に読みづらい。過去ログを読むときというのは、月ごとの日記を、上から下にスクロールして読んでいくので、感覚的に変なのだ。大げさにいうと映画「メメント」を観ているみたいな感じになる。記事が日付をまたいで関連していないにしても、直感的に時間を追う感覚が寸断されてしまう。
(この段の話に同意されるかたは、idea:5504をよろしくおねがいいたします)
と文句を言って終わっても仕方がないので読み続ける。読みながら気づく。そもそも私は日常生活や世間の事件に関する認識が希薄で、「**事件」が起きたのがいつごろである、といったことをタイムラインとして持っていないから、いくら読んでもそれがつながりとして頭に入らないのである。
困った。しかし、2005年から2006年のことを書いた「教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史 2」はまだ出版されていないから、自分で年表を作るしかない。書くのは恥ずかしいし時間食うだけだから、頭の中にカレンダー状のメモ帳を拡げることにしてみる。左右見開きで12ヶ月、1ページ2カラムで、見開きでは1,4,7,10月から始まる4列の表になる。読んだことをここに、頭の中でメモしていく。できごとをだいたいの「ページ上の位置」にプロットしていくわけだ。
…この記憶が続けば私はナポレオン並の優秀な頭脳、ということになるわけだが、残念なことに私は凡人なので、このノートは書いたはしから消えていってしまうのである。さきほど自分の頭の中の世界史年表を開いてみたら、17世紀の段の真ん中と左のあたりに、ニュートンガリレオの顔が並んでいるだけだった。

追記

グーグルカレンダーを使って、現代web史年表作成とかやる人はすぐ出てきそうです。