よみ日記

  • 『博士と狂人』,サイモン・ウィンチェスター
  • 『スラスラ書ける! ビジネス文書』,清水義範

1.5時間。時間を書くのは斜め読みであるというディスクレイマーです。

『博士と狂人』は、豊崎由実絶賛! というオビは今後大森望に次いで叙述トリック認定ということがわかった本(というか、豊崎由実の解説は真摯に行間を読ませるタイプのものだった。結語に「やぶさかではないのである」とか書くたぐいの。なので最近の豊崎株の上昇から担当者が<絶賛>とオビにつけたがる、と認識しないといけないわけだが)。
…こう書くとつまらなそうだが、そうでもない。つまらなくはないけど自分の興味とはずれていた。19世紀末、OEDの編纂が始まったとき、その用例を調べる作業は、公募によって行われたらしいのだが、それらの適正さの判定をどうやったのかということについてほとんど記載がなかった。カードに情報を…って、どんなふうに書いてどうやって保管してたのか、とか、そのあたりが知りたいんだけども。ただただ協力者の一人の男の生い立ちと、一風変わった性癖と、その貢献の度合いが語られるだけ。男のヘンさにしても、その人がどれだけヘンな人か、というワイドショー的な事柄には興味が沸かない。そのヘンさがどういうエネルギーになって辞書編纂に優秀な貢献を残したのか、ということが知りたいわけで。

新書は、なんとなく血迷って。それにしても最近の新書の軽さときたら。まぁ例文集だけでは文書は書けませんということを言ってます。ブロガーは人に探りを入れる文を書くのはお手の物なので、ブロガーのための例文集=例文を立ち位置に還元して説明してあるもの、とか売れそうだ。すでに筒井康隆とかが書いてそうですが。