日曜日プレイログ

カール大帝

ガチ。

ルールは簡単だけど、運用ロジック量が多い。二段のマジョリティ獲得に、手番決め+決算場所を決めるチットが絡む。悩み出すときりがない。

悪く言えば、行儀が良すぎて外連味が足りない感じがする。良くいえば、アブストラクト好きにもおすすめできる、洗練されたシステム。

後半になるに従って大きな領土の取り合いになるので、ドラマ性もほどほどにある(それがなかったらかなり索漠としてる)。

ターン終わりの駒補給に運要素が絡むので、完全情報公開アブストラクトをやると半泣きになる人にも遊んで貰える。(そういう場合は確率論から導ける最善手を話題にしてはいけない)

基本的に2人ゲーム。こういうのに不慣れな場合、いっしゅの協力ゲームとして、最善手はこうじゃないかな? と、喋りながら遊んでもいいと思う。戦術的会話を禁止すれば相当なガチンコ。4人プレイの場合はコントラクトブリッジのようなペア戦になるあたりも面白い。いろいろ楽しみ方があるいいゲームだと思った。

キル・ドクター・ラッキー

うは、やったことを完全に忘却していた。まぁアメリカのゲームだしこんな感じ。

紀元1503

トイバーはなんでこう、面白さを見た目で殺すようなゲームを作りますか。まぁ元が「エントデッカー」だから、絵柄云々よりも根本的に地味か…。にしてももう少し華のある見た目であれば、やってみようという欲が沸こうというものです。

というわけで、「カタン」の作者であるクラウス・トイバーによるゲーム。もうこの人はカタンっぽいゲームしか作らせて貰えないんだろうか、それとも本人の好みでこうなのかよくわからないですけども、本作も「ダイスで資源出る」「どんどん使って自分なりの発展を遂げる」「誰かが規定条件を満たしたら終わり」というカタン的枠組み。

交渉がないのが好ましくもあり、ままならなくもあり。

手元に自分の村が与えられて、それを開拓発展させていく。「金」「建築物」「航海」という三つの要素が絡み合って、どれもそこそこ発展させつつ、建築タイプか航海タイプかを場の流れに応じて決めて素早く突出させないといけない。

ダイスでは皆一様に違った種類の資源が貰える。一人だけ資源が貰えなくて取り残される、ということがない。このあたり「カタン」への不満がクリアされていていい感じ。

発展のさせかたが大味かな、と思っていたが、細かく見るといろいろ戦術がありそうで、面白いと感じた。何が勝ち筋だかよくわからなくて「もう一回!」と言いたくなる感じ。このあたりはものすごく気を遣ってバランスがとってあると思う。よくできてます。

でも…貯金がないと建築物を破壊されるのは…そしてそのイベントがダイス…「そこはリスク管理ですよ」ってことなんだろうけど、なんともまぁ。

航海や建設といった、テーマ性を活かしたゲームになっていて、どちらかというとファミリーゲーム寄りなのかなと思った。理不尽な「ダイス振ったら火事で建造物破壊」「ダイス振ったら海賊で島破壊」というのも、そういう目で見れば、「わーダイスで6ふっちゃった! ゴメーン」的な人生ゲーム要素として許容できるのかも。

ゲーム内容よりか、あれだけ売れた「カタン」の不満点を手直しして、また「カタン」っぽい別のゲームを作るというトイバーの執拗さに感心する。努力家だと思う。