土曜日プレイログ(タルバ、陰謀)

どちらも、インスト時のだるさが吹き飛ぶ面白さ。特に「タルバ」は傑作。
前回の「バイソン」に引き続き、ガチで悩ましいゲームなのに楽しい(そういう風に感性が最適化されてるだけなのかも知れないけど)。
ドイツゲーム的にアブストラクトゲームを作ったらこうなりますよ、という感じで、ハンス社のコンポーネントにも気合いが入っている。ほんとにアブストラクトゲームのファンが買ってくれるかどうかは謎だが…。

タルバ [★★★★] 60min

火山が噴火して地形がどんどん変化していく中、自分の部族の繁栄のシンボルである神殿や塔を早く建てて、この地からエクソダスする(?)のを競うゲーム。

  • 新しく地形タイルをめくって、置く
  • 任意の場所に自分のコマを配置する

基本的にはこれだけのルールなのだが、捻りが加えられていて、単純なアブストラクトゲームとはいえない、変わった味わいになっている。以下その捻りを挙げてみる。

1.地形タイルは重ねてよい
噴火で地形が変化しているという設定。地形タイルを上に積んでよい。その下にあったプレイヤーの通常のコマは捨てられる(!)。プレイヤーの神殿と塔のコマのある場所には、地形タイルを置くことはできない。神殿と塔は、通常コマのあるそばに、ある条件を満たしたときに建てることができる。
2.ゲームの目的は手駒を早く2種類なくすこと
通常コマ・神殿・塔のいずれか2種類を盤に出しきれば勝ち。特殊なアクションを使って通常コマを盤上に多めに出していくことも必要。
3.ただし、自分の手番でコマを置くことができないと失格(滅亡)
基本的に自分が出した地形の上にコマが置けるから、そういう失敗は起きないようだが、盤上に単体で置けるのは通常コマだけ。ゲーム前半に通常コマを場に出し過ぎると、手駒の通常コマが「切れる」て、神殿か塔のみになってしまい、手番に置けなくなって負ける。

2と3の要素が相反しているところからわかるのだけれども、通常コマをさっさとへらさないと勝てないが、減らしすぎると手番のプレイが出来ずに負ける。このサドンデス感と、地形を使って相手の邪魔をしつつトスを上げないというアブストラクトゲームの感覚が、がっぷり組み合っていて非常に面白い。

この作者がハンスから出した「アッティカ」も、領地拡張ゲームに変なバランス調整ゲームがミックスされていたが、今回はあれよりもシンプルで洗練されている。

陰謀 [★★★☆] 60min

点数カードが人数分並べられていて、それぞれのカードの列に、各プレイヤーが、自分の手下カードを裏向きに置いていく。カードが所定の枚数、各列に並べられたら、カードをチェックして、その列ごとに誰が一番合計数が多いかを比較し、トップがカードを獲得。

と、なんか古典的な臭いのするゲーム。

誰かが列の次にカードを置いたら、その前のプレイヤーのカードは表にされてしまう、というひとひねりもあるが、これも想定内といえば想定内(「フリント船長の財宝」のようなメカニクス

インストではこの後、「で、特殊カードが…」という説明が始まった。

正直「えーっ、このシステムに特殊カードを持ち込んで派手にしてるってそれはちょっと安易なんじゃ…」と、いささか不安だった。しかし、プレイしてみると、この特殊効果が強烈で、かなり楽しめるゲームだった。

あと、カードの絵がいい。「操り人形」なんかのイラストを描いている人なんじゃないかな。すごく真面目におとぎ話的なイラストが描いてあって、それがめくられたときの強烈な効果と一緒になると、なぜか笑える。