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  • 大聖堂

下巻に入る。物語全体で見ると後半だが、展開の前倒し具合がいい感じ。裏表紙にあるベタな惹句だけ読むと「あーはいはい」と思うが、出来事が起きるのが、予想よりずいぶん早い。残りのページに何が書いてあるのか、予断を許さない。表面的にはご都合主義的な話が続くが、全体としては、奇跡などないのだという現代的なトーンがあり、それが読者を引っ張っている感じがする。これは一冊のハードカバーで読むと圧倒的だろうな。