段ボール部活動

アルカディア」は途中で止まってしまいましたが、そこでしぼまず脳内で「きっとこれこれこういうプレイで終盤に大量得点するskoharaさんが優勝のはず」と想像で補える幸せな面子。

大聖堂

これは面白いですな。システム的に特に斬新なところがあるわけではなく、既存のゲームシステムをうまくまとめてゲーマー向けに料理した感じです。
私がインストを担当しました。ベースになるシステムが「ケイラス」に似ていて、インスト前はカリカリの手順ゲームになるのかと予想していました。運の要素もわりと大きく取り入れられていて、手順ゲームのシビアさが運で乱れているのなら微妙かも、と思いつつプレイ。
基本的な流れとしては、

  • 1.資材の調達
  • 2.3つのアクションコマを自分の行動したいアクションのマスにおいて行く(早い者勝ち)
  • 3.アクションを順番に解決
  • 4.最後に、現在手の中にある資材と職人(生産体制)で、大聖堂建設に協力して、勝利点を取る

で、2-3のあたりがケイラスの香りがします。
しかし実際には、2-3の手番や行動の局所的な取り合いよりも、4の「自分の生産体制」という、大局的な舵取りの方が重要でした。
「砂」「木」「石」という3つの資材のうち、どれを使って効率よく勝利点を取るか、というのはある程度方向性が決まってしまうものなのです。強い職人を雇っても、それに見合った資材を調達できなければ雇うだけ無駄ですし、そもそも職人を置いておけるスロットが5つしかありませんので、全ての資材をカバーすることはできません。

結果、自然と、「砂重視」「石重視」のように自分の方向性が決まっていきます。そのあたりの効率を追求し、他人と被らないように舵取りをします。ゲームが終わった後、今度はあの職人を取って砂重視でやってみよう、といったはっきりしたビジョンが持てますので、もう一回遊びたくなりました。

結果は、序盤nasikaさんが、修道院長にとりいってリード、潤沢な生産体制でskoharaさんが追い上げるも1ポイント差で及ばず。私は金を使う機会を逸してしまい最下位でした。

最終ラウンドのイベントで「ウィリアム・ハムレイが強制徴税 全員4金失う」というのが起きて、nasikaさんがあと1金すくなければ、勝利点を崩して金を払っていたので、優勝が変わっていたかも、という、わりと劇的な展開でした。(skoharaさんはあらかじめイベント回避の保険を打っていた)

skoharaさんと私は小説を読んでこのゲームに臨みましたが、ウィリアム・ハムレイのヤバさを体感できました。

メガスター

という名前のカードゲーム。シュリレ シュテレみたいな感じで、チャートを操作する。自分の手札にトップアーティストを増やしていく。

最初5枚から始まって、1枚プロット→毎回場と山から1枚ずつ取る、を繰り返していくので、手札がどんどん増えていく。

プロットしたカードが場に出たものがある程度溜まらないと、チャートの変動が起きない。また、場に出たカードは取れる札として再利用される。チャートアクションの為に捨てた札を後でもぞもぞ拾うなどという気持ちの悪いプレイもできる。

最後の決算で上位アーティストのカードを何枚持っているか、だけしか考慮されないので、最初は出方を見ながら、段々決算に向けて調整していく感じ。

…考え方がよくわからない。ユニークなゲームだとは思いました。

アルカディアの建設

途中まででしたが、現代ドイツゲームの隔靴掻痒さをよく表しているいいゲームだと思いました。リモコンで孫の手を操作して、くくりつけた筆で掻いてほしい場所を文字にするくらいの遠回り加減が。

名家の建築競争に、建築士として雇われたプレイヤーが、なるだけ多くの建築に参加して、パトロンの覚えめでたく報酬を貰う、というもの。

報酬は最初、紋章という形で貰える。これをどこかで換金しなくてはならない。紋章は株価のように一定の範囲を変動している。価格を操作するには、建物を完成させて、盤面中央の価格表を上書きしていく必要がある。

と、まぁ普通といえば普通なのだが、この「建築」と「建築への参加」というのが複雑。2〜5のブロック状のタイルを場に出して、その周囲に自分の職人を配置して…と、パズルチックなプレイになる。どの形状のタイルをプレイできるかは、手札によって決まるのだが、手札の補充はオープンな場所から拾ってきてもよいので、人が拾った札を覚えておくことも可能。

まぁ…あの、めんどくさい。「大聖堂」は、ぎりぎりファミリー向けに門戸が開かれているが、これはかなり扉が重い。人型がチマいことを含めて「ラ チッタ」くらいのマニア度。

ルールの知的構築物として面白いので、これ買いたいなぁ、と思ったのだけど、仲間内以外にこれをやって貰えるひとがどれくらいいるか…と考えると腰が引ける。ゲーム自体は90分くらいで終わりそうな分量なのでよさげですが。

この大仰さと面妖さを「ドイツゲームの行き詰まり」と捉えるかどうかは人次第かもです。まぁもう少し楽しませて貰えると思います。私個人は、まだまだ、喋りながらプレイしていて楽しいし、デザイナーの企図に悶えるし。

来年もよろしくお願いします。