世界禁煙デーだそうだ

NHKでやっていた、オーストラリアの啓蒙CMがエグかった。「禁煙? 来月からね」というカットの直後に、「余命一ヶ月でベッドに横たわる人」のカットを入れたり。ヒー。

この手の啓蒙の問題は、「ここまで言ってわからなかったら馬鹿」という印象を与えて、本質的に関係ないはずの、誰が馬鹿かという罵り合いに発展してしまうことだと思う。

馬鹿であることと煙草を吸うという選択をすることに、直接の関連性はない。人に迷惑がかかるようにあえてする、ということであれば、非難されるだろうけど、その場合使う馬鹿は、非難の意味を込めた「バカ」であって、お前は頭が悪いという意味の「馬鹿」ではない。

flip.

森博嗣がエッセイの中で「趣味というのは何かを創造することに対して使うことばです」と書いていた(あ、これは本人がそう考えたというのではなく、欧米ではそうだ、という紹介だったと思う)。ま、それは定義によるね、とはぐらかすこともできるが、これは真実だと思う。

時間も金もつっこんで、実利がないどころか、何の創造もしない、ボードゲームというのを趣味に選ぶのは、人生の無駄だと思う。

しかし、それでもなお、煙草を吸う人はいるし、ゲームなんていう時間つぶしで人生を棒に振る人もいる。

極端に言うと、そういう業に嵌ってしまった人同士は、お互い苦笑いしながら、どこか許しあっているのだと思う。外から、おまえら馬鹿だな、と言われたら、まぁそうなんでしょうね、とは思うけれど、あなたたちには、私たちが苦笑いしているこの感情は、理解できないでしょうね、とも思う。