シャーロック・ホームズ 10の怪事件

ボードゲームの人には「競争的なゲームではない」「論理ではなく直感で推理させられる」ゆえに遊ばれず、TRPGの人には「プレイヤーキャラクターがない」ゆえに遊ばれず、ミステリの人には「そもそもゲームしない」ゆえに遊ばれない、不遇なゲームではないかと思った。

追記

…むろん、その3つの属性を適度に持ち合わせている人にはこれほどおすすめできるゲームはない…ことは、コメント欄のやりとりでも明かです。

ゲームブックというシステムにパックされてしまっているので、ゲーム自体のTRPG風味は薄いけど、シナリオを読んでいると、なんだか自分でもシナリオを一本くらい書いて適当なシステムでマスターをやりたくなってくる(できないけど)あたりはかなりTRPGだと思った。

追記2

ブクマコメントで「そんなに人を選ぶかなぁ」とコメントいただいているのだけど、ボードゲームの定例会に持っていくと、「クルー」や「スコットランドヤード」みたいなものの延長でプレイされそうな気がしてます。

事件の解決を推論ではなく直感にたよってるあたりが、特殊だと思うんですよねぇ。

ゲームブック本体(+住所録)だけで地道に人名場所名を辿っても、真相はわからないように作られている。地図上にプロットした捜査ポイントを見て、突然「あら?」と気づいたり、その日の新聞に書いてあったことに「そういえば…」と気づくのは、自分の考える「ボードゲーム」の中心的な流れからは、かなりはみ出してる気がします。

極端に言うと、将棋で「槍には斧が強いはずだろ?」「銀は腐食に弱いんだぜ?」とか、突然ゲームシステム外の知識を持ち出してなんとかしようとしてる感じ、というか…。

(逆に、「クルー」「スルース」みたいなものを推理ゲームとかミステリゲームとか言われると、この味気ない推論ゲームのどこがミステリなんだ…と思う)

自分は大好きなのだけど(頭使う遊びとして自分内ベスト10に入る)、ボードゲーム仲間では、どういう人が遊んでくれるかわからないので、ぼちぼち人を選んで試してみたいと思います。