書店、本棚、ポップ、ロック、カセットテープ
昨日の「書店ポップの解放」の話、続きを断片的に。
以前、地元の書店で「あの人の気になる本棚」という企画で、大学の先生やらなにやらのコンパイルした本で、ひとつずつ、棚をつくる、というのをやっていた。
意欲的で面白い、と思ったけど、棚を作るのは「先生」じゃつまんないんだよな、とも、思うのだった。
どれだけ、えらい人が一方的に必読書をおすすめしても、それは「本が好きな人」の足を止めない。その先生が好きな人(あるいは、**先生のおすすめ本が棚になってるから見ておけ、と言われた可哀相な学生)なら、本を手に取るかもしれないけれど。
人が見る場所に本を並べるということは、他人の関心と自分のそれとのインターセクションをつくる、ということなのであって、大学の先生のおすすめ本をありがたがって買うということとは違うと思うのだ。
たとえば『思考の整理学』みたいな本が、どこかのおすすめだったというだけで、棚半分を使って面陳されていたり*1すると、それがどれだけいい本であっても、がっかりする。そこには「編集」がないから。
映画音痴の私であっても「スクール・オブ・ロック」と「ハイ・フィデリティ」を二本まとめて人に貸すことで、稚拙ながらも、そこに編集的な視点を発生させることができたりする。本においても、それくらいの気軽さの「編集」が、どんどん起きるような本屋なら、毎日でも通うのになぁ、と思う。
棚でもポップでも、みんなが、ことばを添えて、自分の稚拙ではずかしい「編集」を見せ合えられればいいのにねー。女の子にテープを作って贈るみたいに。
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*1:=「ホットエントリ」