今日の再生 (「その土曜日、7時58分」,「ゾンゲリア」,「荒野の用心棒」 )

以前観てたものもあわせてメモ。

その土曜日、7時58分 (Before the Devil Knows You're Dead)

金に困った兄弟が実家相手のやらせ強盗を計画。簡単に片が付くはずだったが、助っ人に連れてきた奴が粗暴な馬鹿で殺人事件に発展……あれ、どこかで聞いたような話。

ここで「ファーゴ」をおさらい。卑怯で抜けてる奴担当=ウィリアム・H・メイシー(中古車販売の男)。ボンクラで抜けてる奴担当=スティーブ・ブシェミ(ミンチにされる方のチンピラ)。本作ではそれぞれをフィリップ・シーモア・ホフマンイーサン・ホークが担当。

「ファーゴ」の刷り込みもあるけど、P.S.ホフマンもE.ホークも、登場数分で「こいつは絶対こんな奴」というキャラがわかるのがすごい。もっと細かい演出を見るべきだった。

時間の経過をいじって見せるというのはもはやそれ自体はどってことないが、小説と同じで、見せない部分、観客が知りたいと思っている部分をうまく一つか二つフックにしてぶら下げ続けることができればうまくいく。これはうまく行っているほうなんじゃないかな。

次観るときは、父親役のアルバート・フィニィをよく見る必要がある。同じ監督の「オリエント急行」にも出てたそうで。85点。

ゾンゲリア (Dead and Buried)

脚本はダン・オバノンバタリアンしか知らないけど。

この映画のオチは「********」と同じ、というので観たんだけど、まぁ確かに……。でもこれ、伏線が用意されていて「そうか!」という感じで終わるのではなく、もう話のたたみようがないから、「実は*****でした! ババーン!」で幕を引くために作られたような気はする。

ポッターズ・ブラフの村人が生贄をリンチするときに写真やカメラをまわす理由がよくわからないまま進むのだが、結局最後の幕引きを見せるための道具立てだった。そういう目で見るとよくできてるのか? 基本的にショッキング描写が身上の映画なので、ストーリーの上にどれだけ嫌な感じのシーンをちりばめられるかが腕の見せ所なのかも。

静かなテーマソングと共に、ゾンビ映画らしからぬ風景から始まるので、最初なんだこれ、と思うのだけど、そこからすぐ「おっぱいを見せて鼻の下を伸ばした男をボッコボコにリンチ」というふうにつながって、なんだ、「そんな驚かせ方ひどい」って思って観ればいいのか、と納得。

それほど無内容な映画というわけでもなく、主人公(デニーロ顔)が追いつめられて妻を疑い出す、というストーリーは、観客も「なんとなくオチはわかるけど、この奥さんはどっちなんだ?」と思いながら観られる。40点。

荒野の用心棒 (A Fistful of Dollars)

低予算で撮ったマカロニ・ウェスタンのはしり。オーケストラを使わない音楽はエンニオ・モリコーネ。西部劇というとむしろこういう音楽しか頭に浮かばない。

……もうだいぶ忘れたな。死体を使った時間稼ぎのトリックは、ちょっと偶然に頼りすぎなんじゃないのか、という気がするが、イーストウッドの超人っぽい描写でそれほど気にならない。まぁむしろ超人でも半殺しの目に合う、というところがみどころだろう。