白いリボン
今月5本目、のはず。
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感想
これは傑作、かつケッサク。
抑圧と暴力と性を丹念に積み上げていって、村の秩序が崩壊する不安を極限まで高めた後の、あのラスト。もうたまらん。観客全員で「おい!」って画面に突っ込みたくなる、背筋の寒くなるようなボケで終わる。素晴らしいです。
村の人々の行く末に関してはなんの説明もないまま終わるのだが、私は「いやーこの画面に映ってるやつ全員死ぬよ^o^」とナチュラルに確信した。
「英国王のスピーチ」のラストと対比させて観ると面白い。こっちを後に観られてよかった(「英国王〜」の終わり方に「開戦スピーチを通じて救われるなんてねぇ……」と思っていた人は全力でこの映画を観るとよいと思う)。
このラストの恐ろしさは、ここ10日をインターネットを見て過ごしてきて、いくらかの躁病めいた言葉に、居心地の悪さを感じている人にも、伝わるんじゃないかと思う。
今は戦時*1であり、この戦争が始まる前、自分たちがどれだけ醜かったか、ときどき思い出すべきなのだ。
85点。
*1:正確には、その意図のない人たちの言葉によってもたらされている戦時