25歳までの女性に読んで欲しい本
んー、何でもいいが、2冊選べるのだから、本の内容で「成長できます」「何か考えさせられます」じゃなくて、「2冊の間に橋を架けている自分の読み・認識」、に自覚的になれるような2冊がいいんじゃないかなぁ。
…思いつきませんが…
正直、年齢の近い女の子に「**読んだ〜? 感動したよ〜」とか言われると、「え!」とか思う。そうですか、それで次の感動はなんですか、みたいな…*1。まぁ同じオタク同士なら話に花咲くこともあるけども…。
人の「感動した!」にはほとんど興味がない。なぜそこからその本に読み進んだのか、という必然性が知りたいな。
*1:そういう、人との共感を拒否してるようなところがあかんのかな…でも趣味だし…あーでもね、http://www.motehimote.com/section1/s1_2.html によると僕は、モテオブモテでしたよ! わは!
いろいろメモ
ちょっとしか使わないものを自分向けにカスタマイズする
やる意味はないけど、触りはじめだと、ちょっと知ってるからいじってみたい、みたいなことはあるかも(電器屋のパソコンで、よく知らないのにコマンドプロンプトで「DIR」と打ってみる、みたいな…)。それが子供っぽいということでしょうが…。
今年のゲーム十選 アナログゲーム部門(2)
で、後半。10個選べた…そして好きなもののことを書くのはやっぱり楽しい…。次点作はまたこんど。
願わくば、これ読んだ人のひとりでもいいから、ここに書いたアナログゲームを遊んでくれますように。中古ショップでいつもビデオゲームを手に取っては置いているあなた(お金がないという意味ではなく、どれも同じに見えるので買う気になれないあなた)、あなたのためにアナログゲームはあります。
6.ゲシェンク
年末に彗星のごとく現れた、ポスト「6ニムト」*1…というのは誉めすぎだけど、ルールのシンプルさと、そこから生まれるジレンマと笑いは、紛れもなく、オールタイムベスト級。
どれくらいシンプルかというと「3〜35までのマイナス点カードが1枚ずつめくられるので、手持ちのチップを1つ払って取るのをパスするか、それまでのチップ全部と合わせてカードを引き取るかする」…と、あぁこれだけでルールの90%が表現できてしまった。*2
時間がちょっと空いたときに、ヘラヘラと箱を取り出し、ヘラヘラとカードをめくり、ヘラヘラとチップを置いて、遊べる。すばらしいと思う。
7.カサノバ
これも「ゲシェンク」と同様、10分程度で遊べる好ゲーム。
「ゲシェンク」が、シンプルで骨太の楽しい味わいとするなら、「カサノバ」は、トランプで作られた塔のような、危ういバランスの上になりたっている美しいテイストのあそびだと思う。
サイコロを1個〜3個まで振れる、という、期待値と確率分布の変化(3個、2個、1個、それぞれにリスキー)。札を出していくことで狭まる選択肢。ラストで12と13を残しているときに「サイコロ1個」を宣言されたら目も当てられないから、マネジメントする必要がある。
…でも、結局はダイスの運。確率分布はあるけど、ダイス目が悪かったら仕方がない。なのに、精緻なシステムが作られている。この、「やることはやったから、あとはダイスに文句言ってくれ」みたいなところが、微笑ましい。
プレイした人に感想を聞くと、いいゲームとは言うけど、「面白ーい!」とは言ってくれない。
ギャンブルゲームとしても、論理ゲームとしても、今ひとつ食い足りないし、親のとき何をするか、に尽きるので、プレイ感が淡白なのだ。
いろいろとルールをひねろうとしてみたが、しかし、ちょっとレイズの権利のルールを変えるだけで、一攫千金の度合いが増して、別のゲーム性になってしまうのだった。この、ギャンブルとも論理ゲームともつかぬ、ギリギリのところで成り立っているバランス感覚に、美しさを感じる。
プレイよりもルールに燃えているのなら…そしてゲームを遊ぶということを、ルールやシステムとの無限の出会いの繰り返しだと、信じているのなら…、十分楽しめるゲームです。
8.モダンアート
ルール命、という流れで、「モダンアート」。ただルールが美しいだけでなく、そこから広がる一般性を持っている。個人的にはモノポリーと同程度に売れていいゲームだと思う。
競りオブ競りとしかいいようのないゲーム性、プレイのドラマ性もさることながら、「5人のアーティストの強弱」を、「枚数が並んだときの順位優先度」のみで表しているところがものすごい。剃刀のようなルールの切れ味。
TCGのように、そのカードに書いた「特殊能力」で強さを表すことは、わりと簡単で、すごい能力をそのカードが発揮するように記述すれば、カードが出たときにみんな「うへー」とびっくりしてくれる。
このゲームはそうではなく、単に「もし枚数が並んでしまったら、アーティスト一覧の<左>から優先する」ということが、ルールに書かれているだけ。それ以外はほぼ同じ条件。しかし、これだけのルールが、カードの「強弱」となってプレイヤーに実感される。「Light Metal(一番左端のアーティスト)は強いから」…という、プレイヤーの行動の動機づけが、カードの内容ではなくルールによって規定されているのだ。
実際にカードに書かれている情報は、「このカードは入札で」「このカードは一巡の競りで」といった、<競りの種類>を示す記号だけ。本当に、それだけなのだ。あとは、すべて、プレイヤーの思考とカード運にのみ、ゆだねられている。
作者はクニツィーア。旧作だがこのたびめでたく再販になった。コンポーネントのチープさに目をつむっても、一家に一つ置く価値のある、「競り」というジャンルのゲームのスタンダード。
9.ババンク
プレイ自体はほとんどやってないが、印象深いゲーム。
ブラフ(はったり)を効かせるゲームは他にもある。このゲームの悩ましいところは、「人がブラフをかける場所が、リアルタイムで変化していくので、それに合わせて自分のブラフも変えていかなければならない」というところ。
だから、単なるはったりではなく、きちんとした論理が要求される。相手が置いた場所を見て、相手が何を考えたかを推測し、それに合わせて自分のカードを配置する。
囚人に帽子を被せて、きちんと推論できた囚人は釈放、という論理パズルがあるが(google: 囚人 帽子 パズル)、あの囚人の立場になったときのことを考えてみるといい。
10.クイズ・オンリーワン(創作)
最後は、所属するゲームサークルに敬意を表して、創作ゲーム。
クイズをゲームにすることを考えてみると、いろいろな問題があることがわかる。「クイズ・オンリーワン」は、大げさに言って、この問題の歴史のなかの、一つの達成だと言える。
- a)問題を作って出題する「ゲームマスター」を設けると、準備が必要だし、マスターの裁量でゲームの展開が全然違う(そもそも神みたいにマスターが君臨するのがイヤだからドイツゲームやってるんだもの…)。
- →みんなで問題を出しあえばいい
- b)そうすると、出題者が恣意的に誰かにわかりやすい問題を作れるので、ゲームとしてフェアさを欠く。
- c)また、「めちゃめちゃ簡単問題」「めちゃめちゃ難しい問題」を出しがちになって、場が白ける。
- →(JAGA「クイズメーカー」)出題者に縛りを設けて、上手に出題したら出題者に得点が入るようにすればいい。「全員正解」「全員不正解」は、下手な出題なので、親に点は入らないようにする。
- d)先にランダムに正解すべき人を指名してしまうと、本当にその人に「しか」わからない問題が出て、それはそれで場が白ける。
- →誰が正解したかよくわかんない、微妙な問題を出すように工夫する。
「クイズ・オンリーワン」では、親に「微妙な問題を出させる」動機づけをする、絶妙のアイデアが光っている。回答者は、場の回答状況を予測して、クイズの正解といっしょに、誰が正解してるかを予測する。親は、子の回答状況予測が外れるたびに、点を取れるという仕組み。親は、子に「クイズの答え」を間違わせるのではなく、「クイズに誰が正解しているのか」を間違わせなければならない。
ゲームしたあと呑み会になることが多いが、カードやボードを拡げられないところでも、紙とエンピツがあれば気軽に遊べる。もう半年以上、ことあるごとにやってます。