3-001.博士の愛した数式
実は自分の中では[hundred]カテゴリは続いていた。g:book100に積極的にコミットするわけではないけど、数を数える意味はあるだろう、程度の意味だけど。
スピードと習慣が重要ということは理解しているので、えり好みせずジャンル小説以外のものも読む。
info.
- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/11/26
- メディア: 文庫
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大袈裟感想
これは神と世界の完全性と人間の不完全性についての話だ。朝、目覚めるたび、博士が見つける「私の記憶は80分しか続かない」という言葉は、私たちが目覚めるたびに宣告されている(はずの)「私はいずれ死ぬ」「私の能力は有限だ」という言葉とかわりない。
だから私たちは、知り得ないかも知れないものに触れ、不思議の前に頭を垂れ、ときどき教わる秘密に自分の世界を変えて貰うのだ。
ここがよかった。
私は18と14を思い浮かべた。博士の説明を聞いた後では、それらは最早ただの数字ではなかった。人知れず18は過剰な荷物の重みに耐え、14は欠落した空白の前に、無言でたたずんでいた。
長期記憶が続かない人がどのように人を好きになるのか、記憶を失う前の感情はどう続いているのか、あたりについて、説明があればもうちょっと感情移入できるのに、と思うのはSF寄りの考え方か。でもちょっと、こわくて想像できない。
なぜ上下巻の上だけ買って安心するか
人の消費行動に文句をつけるわけではないが「なぜ、そんな…」という気はする。大河小説の一巻だけをお試しで読む、というのはあるかも知れないが、書籍の都合上、上下巻に分かれているだけのものを、一冊買っていく、というのはどういうことなんだろうか。
- いっぺんに買うと高い
- おこづかい制だから今月上巻しか買えない
- いつでも買える
- おためし(つまらなかったときのリスク回避)
- そもそも複数冊の本を買う習慣がない
- 読書バッファが1冊分しかない(普通そうか)
んーでも、さすがに教養書の類を買っていく人が「複数の本を買わない」とは思えないんだけど…。上巻が初版で下巻が二刷とか、ちょっと気持ちがよくないじゃないか…それは好みか…。
上下巻の発行部数に傾斜を持たせておく、ということはまぁ事実として存在するとして、書籍の種類によってその傾斜のかけかたが違ったりするのかな。