『ホッグ連続殺人』,ウィリアム.L.デアンドレア,早川文庫,ISBN:415073951X

海外ミステリは、「ミステリ・ハンドブック」のリストの、上のほうから読んでいる。
うーむ。またもや「本格ミステリ」を「ふつうの小説」を読むような気持ちで読んでしまって損した。最初から、<本格度>が判っていれば、漠然とした予想を真面目に裏付けしようという気持ちで読むのだけれども。「あまりにも多岐に渡って起こる状況の曖昧な連続殺人」という序盤十数ページを読んだ時点で、「Who」のだいたいの予想は…ついてしまう…いや、これは、わかるでしょう。あとはWhyとHowをひたすら考えるだけ。つうかどちらかというと、その思いつきでどうやってミステリとして成立させるのだろう、という興味かな。そういう観点で読むと、馬鹿推理あり、因縁話あり、犯人を追いつめるシーケンスあり、と、飽きないように工夫されてるのがわかる。
あと描写の視点がずるずるとテレビ的に切り替わるのはちょっと気持ち悪かった。