有限と微小のパン

有限と微小のパン,森博嗣,ISBN:4062732947

おいおいおいシリーズ通しての伏線ってあれのこと? うそだろ? あんなの伏線でも何でもないお遊びじゃん。「ケイゾク」なみの取ってつけた感。おれは存在すら忘れてましたよ。

どこかの巻で萌絵が「マインドコントロール…」とか言ってたし、台詞のやり取りからして諏訪野がベリリ(怪人19面相ふうに)とかなるのかと思ってましたよ。諏訪野ってストーリー内で矛盾を吸収して世界を支えるような存在として置かれているわけで、最後に「そんなの読者が寄りかかってる小説内の約束ごとでしかないね」とか、ひっくり返してくれるのかなと。

…と、ぶつぶつ言いながら、書評を見てまわる。なるほど。いろいろ準備はされてたわけね。

(以下、微妙にネタを割っているかも)いろいろ言ってるけど、ミステリ的な状況が上滑りする展開と、状況をつなぎとめようと地面に杭を打ったら地面がガラガラ割れた、みたいな解決は好き。

それとラブコメもとい恋愛小説としては、「今度こそ懲りたろう?」というくだりは、すばらしいハッピーエンド(エンド、ではないな)だと思った。ただこれを「続ける」というのはよくわからない。「新しく始める」でしょう。