蛇にピアス

昼休み、思いつきで文藝春秋を買ってしまったので読む。

【ネタバレ御免のあらすじ】同棲相手のアマに教わったスプリットタンに興味を抱いた主人公は、アマの紹介で入れ墨とピアッシングをやっているシバと出会った。シバはサディストで、主人公にピアスや墨を入れながら欲情していたが、主人公はシバを受け入れる。一方のアマも破壊的な性格で、飲み屋で絡んだ相手を殴り倒し、前歯を折り取ってしまう。主人公はアマかシバのどちらかに殺されるだろうと思いながら、二人との関係を続ける。主人公はしばらくして、アマと同じ赤毛の男に、男が殴られて死んだというニュースを知る。

  • パンク、ギャング、ギャル、サディスト、マゾヒストが部族や属性のように描かれる文章は、ブルーススターリングの短編かと思った。というよりほぼSFとして読み始めた。
  • SFと違うのは、提示された要素そのものが何かを示して終わるのではなく、あくまでそれを受容する人間が示される点か。べつにSFでなくてもよかったのだけど、わりと「ふーん」という感じで読み終えた。
  • 痛みと性交がフックになっているが、もしその感覚をすべて捨てたところから書いたら、この人はどういうものを書くのか知りたいと思った。
  • 世代の代弁者とかそういうのはどうでもいいです(ちうか、みんなそういうのをわかりたくて小説読むの?)