ジェノバの商人

http://ejf.cside.ne.jp/review/diehandlervongenoa.html

ルール

手番プレイヤーは、5マスまで移動可能な「商人」のコマを持ち、他プレイヤーと交渉しながら、1マスずつ次の移動先を決める。各マスでは、そのマスに設定されている財を手に入れることが可能(アクション)だが、これは1手番に各自1回しか行使することができない。

手番プレイヤーは、他を無視して商人を進めても構わないが、他プレイヤーとの交渉が成立すれば、そこに移動してアクションの権利を譲る代わりに、そのプレイヤーから財を貰うことができる。

他プレイヤーがほしがるような場所をなるだけ多く通りながら(交渉で相手にしてもらう必要があるので)、自分も得をするような移動をする必要がある。

感想

3人でプレイ時間約3時間。会場の都合で最終ラウンドを切ったが、堪能できた。

まず、交渉について。とにかく、1マス動くごとに「この先行きたいところ、ないか、ないか」「じゃ、そこからギルドホールに行けば10出します」みたいな感じでバンバン交渉が起きるので、だれることはない。


B「ギルドホールに10で」
A「10? 何言ってるの」
B「じゃぁ10の代わりに、5に絹付けて、どですか」
A「うーん、それおいしいかも」
C「あ、それなら私はこっち方向で10出しますけど」
A「あー、そっちは僕の利害と一致してますね、じゃ、そっち移動で」
B「……」
のような、足元を見るような交渉が続くけど、いやらしい感じにはならず、むしろ笑える。ここはいい。

それから、勝利点であるお金を稼ぐ方法がたくさんある(交渉・取引・郵便配達・所有マーカーetc)し、手元のリソースがどんどん変換できるので、「次はあれでやってみよう」みたいなモチベーションが上がるし、凹んで「何もできない!」ということが少ない。

次、気になったところ。

このゲームは手持ちのお金が非公開で、ゲーム性の多くをそこに負っている*1のだけど、これがかなり、マイナス方向にも影響しているなと思った。

  • いろんな勝ち筋を試した結果が、あんまりダイレクトに見えないので、結果「何が功を奏した」のかよくわからない
  • 誰がトップかよくわかんないので、場が進むと交渉に応じていいかわからなくなる

このへんはもっとシビアに損得勘定するように態度を改めればなんとかなるのかも知れない。

それから、場にリソースが溢れてくると、アクションタイルを使った大技が使えるようになっていくので、交渉が減って、自分の作業に没頭しがちになる。最終的にタイルは使ってお金に換えていかないと意味がないわけだし。このへんはカタンの最・終盤と同じで、それまでヘラヘラやっていたのが、急にみんな無口になる感じ。

3人でプレイしたから、モノの出方が多少鈍かったけど、4人5人だと、早いうちから、もっと場にモノが出るようになって、交渉が萎むのも早くなるのかもしれないと思った。(そういう部分のバランスも取られているのかも知れないけど)

ともあれ、いいゲームだと思いました。

戦略

「手紙」「小取引」をあまり重視してなかったけれど、リソースが2個取れることを考えたら、誰も取らないのであれば、サクサクとここを安い値段で廻ってもらって、あとは1:1変換タイルでなんとかするのがよいのではないかと思えてきた。

*1:お金が公開されると、あからさまな叩きが発生するし、交渉メインのゲームで、叩き=相手にしてもらえないというのは致命傷なので、たしかに非公開は妥当ではある