アッティカ

ギリシア都市国家の建設競争。版図を伸ばし、神殿と神殿を自分の勢力で繋ぐことができれば勝利。あるいは、手もとの30枚のタイルを全て置き切ったら勝利です。
アクセルの踏み加減が重要なバランスゲームだと思います。

システム:基本的なバランス

要するに、人より早く、手元のタイルを出せれば、勝ちにつながりますが、タイルを出して建設するのにはカードというコストが必要(このへんはカタンみたいな感じです)。ホイホイタイルを出せるようになるには、我慢しなければいけないけど、我慢しすぎると、人に押さえられてしまいます。

  • タイルを出すか、カードを引いて必要資源を補充するかは、選択制(どちらかの行動をとる)
  • カードを使わずに置ける「いい場所」がある。→早い者勝ち
  • あるタイルから隣接させて順番に出していくことで、無料で置けるコンビネーションがある。これは引きに左右される→無料でどんどん出すには我慢が必要

基本的には、タイルを引いて無料コンボの準備をしていくのが効率いいのですが、それだと単なる引きゲーです。
人がいい場所をとりそうなとき、準備が十分でなくても、カードを消費してそれを無理して止めに行くことも、重要な戦術で、「タイルか、カードか」というのが基本的なバランスになっています。
人が取ったタイルの構成、カードの枚数はオープン情報なので、「そろそろ来そう」「なんかやりそう」な空気はわかる筈。その空気を読んで先回りして準備していくわけです。

システム:邪魔の仕方 1

いい場所を先にとることが人の邪魔になります。それから、人の建てたものに隣接させるように自分の建物をぶつけていくことで、「いいコンボの作れる材料をつぶす」ことができます。

たとえば、各勢力には首都(アテネ・テーベetc)タイルがあります。これは6つの無料コンボの可能性を持っているので、タイルの準備が十分出来ていれば、どんどん無料で建設が進んでしまいます。

だから相手が「首都」を建てたときには、優先的に、そこに隣接する場所を自分のタイルで埋め殺すことが必要です。

システム:邪魔の仕方 2

このゲーム、神殿どうし繋がってしまうと、あっという間にゲームが終わります。要するに、そこを繋がせないようにプレイヤー同士が牽制しあうのが当然の前提としてデザインされているわけです。

自分の勢力タイルは、必ずしも隣接している必要はない(非隣接のペナルティはちょっとだけある)ので、人が神殿を繋ぎそうな場合、頑張って神殿の入り口をふさいで邪魔することが可能です。

で、そうなってしまった場合の救済手段として、このゲーム、「ボードを拡張することができる」という無茶なルールが導入されています。神殿がふさがれたら、ちょっと回り込んで別方向から神殿に繋がる土地をくっつけていいわけです。

参考

に、2player時の画像があります。左右両端が神殿。手元にタイルを引いてきて仮設置できます。建設コストはカードで支払います。

この例で、青がやっているように、神殿をつながれないために、いきなり神殿のすぐ前にタイルを置くこともできますが、伸びる方向が限られるのと、飛び地は追加コストが必要になっているので、簡単に邪魔できるわけではありません。

また、神殿の直前にタイルを置かれても、ボード拡張で回避できるので、それほど決定的な手というわけでもありません。

ボード拡張の意味

で、今日の本題。このゲーム、ちょっとやっただけでは、この「ボード拡張」の意味がわかりませんでした。

  • A-1:神殿同士が繋がりそうになる
  • B-1:神殿の前をえいえいとタイルで塞ぐ
  • A-2:じゃぁこっちにボード拡張して
  • B-2:そっちも邪魔して

…みたいに、手数が増えるだけで、全然戦略的な要素が噛んでこないように思えます。
んが、こういう千日手に近い状態になる前に、A-2をB側が予測して、「先にボード拡張されそうな場所から、微妙にずらしてボードを拡張する」ことができます。

こうされてしまうと、A-2で拡張したい場所にボードが拡張できなくなってしまうので、「いつどこに、ボード拡張で場所を拡げるか」というところで、早い者勝ちの争いが発生します。