面白さを酌み取るセンスについて

ほらふき

「ほらふき」というゲームをやった。単純な「ダウト」みたいなもの。6種類の野菜カードがあって、それを裏向きに順番に出して行って、手札を出し切った人が勝ち。

ラウンド始めに、誰かが裏向きに出した種類の野菜しか出せない*1。つまり、思い通りに出せるわけがない。だから、出せない、あるいは出したくないときは、嘘をついて、言われてない種類のカードをこっそり出してもよい。

その嘘を見破られると、カードを引き取らされる。逆に本当のことを嘘と言ってしまうと、ダウトをかけた人がカード引き取り。基本はそんだけ。

おもしろいのか?

非常にシンプルで、ルールを聞いただけでは何が面白いのかわからないくらいだ。

ポイント

このゲームのポイントは、「各野菜(スート)の枚数に傾斜が設けてある」というところ。一番多い「キュウリ」は、全体に20枚入っているが、これがだんだん減っていって、一番少ない「ナスビ」は、9枚しか入っていない。

なぜこのような傾斜がかけてあるか。初期手札は配りきりではないので、何を持っているかは純粋に確率。つまり「ナスビってそうそう手札に入ってませんよぉ〜」という、デザイナーからのメッセージなわけだ。

遊び方

これをふまえて、最初の1手を「でも、持ってますよー。ナスビ」と言って、裏向きにカードをプレイするのが、デザイナーの意図を酌んだ遊び方だと思う。本当でも嘘でもいいので。

スートに傾斜があることで、「数の少ないナスビをいきなり出すなんてこの人は嘘をついているのかもしれない」という意識が、プレイヤーの間に生まれる。そしてその心理のアヤがゲームの核になって、プレイが回りはじめる。そうすると単なる運ゲーが、けっこう楽しめるようになる。

ルールを説明しただけで、このへんをピコーンと察知して、初手「ナスビ」を出してくる人がいると、たいへん嬉しい。嬉しくて、顔を見合わせて、ヘラヘラと笑い出してしまった。

*1:最初に誰かが「ナスビ」と言ったら、そのラウンドは「ナスビ」を出し続けなければいけない