バカ言う奴がアホ、というといろいろコメントがつくことについて
某所のやりとりを見ていて思ったことのまとめ。
コメントしてる側寄りに立って考えてみよう。
1.
Aさんが「お前はバカだ」と言うことに対してBさんが「バカと言った奴がバカである」というのは、Aさんの「バカ」の内容を吟味せずにいえるメタ罵倒である。
Aさんが言い表したかった「バカ」と、BさんがAさんを評価するメタ罵倒の「バカ」では「バカ」の意味が異なる。そして後者の「バカ」については、事実検証の義務がなくなる。言い換えると、「バカと言った奴がバカ」と信じている人の中では常に真となる。
それをBさんが「私は感想を言ったまでです」とはぐらかすと、最初の「お前はバカだ」という言及が宙に浮いてしまうのでAさんは腹を立てるかも知れない。
また、いちどメタ罵倒のロックを外すと、(メタ^N)罵倒を許可してしまう。メタ位置に立たれた感情的な面を考慮に入れないとしても、このロックを外すのは危険。
「ここではバカ言う奴がバカ言う奴がバカ言う…式の言い合いができますよ」と宣言したことに対して、言ったからには落とし前をつけていただきたい、と、絡みたくなる人を釣る可能性が高い。
2.
同様に「あなたの態度が改善したので私もそれに応じた態度を取ります」というのも、相手の言及内容ではなく言及態度をメタに評価していい、というやりとりを許可していることになる。
それからここで使われる「ので」は、互酬性に立っていて危険。「私は悪いことをしないので人を裁いてよい」その他の詭弁を許すことになる。
まとめ
- 「バカ言う奴がバカ」
- 「あなたの態度で私も態度を変えます」
というのは、メタ言及を可能にしてやりとりを拡散させる言葉。本当に議論をしたい真面目な人はこういう言い方の相手をしない。